中国で異変、親戚と“関係を断つ”若者が増加―中国メディア

中国メディアの光明網は13日、中国で親族に新年のあいさつをしない若者が増えていると報じた。

記事によると、春節(旧正月。今年は2月10日)が数日過ぎたころ、中国のSNS・微博(ウェイボー)で「農村で静かに家庭単位の“縁切り”が発生している」との話題がトレンド入りし、閲覧数が1億回を突破した。これは実際に親戚らと縁を切るのではなく、新年に親戚の家にあいさつに行かないことを指しているという。

微博上には「子どもの頃は親戚の家に遊びに行ってワイワイやっていたが、大人になってから不安を覚えるようになった。去年はいくら稼いだのかとか、どんな仕事をしているかとか、結婚したのかとか、子どもはできたのかとか(何でもかんでも)聞かれる」といったコメントが並んだ。

中国で春節と言えば一家だんらん。しかし、親や親戚からの結婚・出産の催促を避けるために一人で地方に旅行に出かけたり、会社の寮で年を越したりする若者が増えているという。あるネットユーザーは「親戚同士の付き合いはますます少なくなってはいるものの、他人と競い合うという風潮は根強い。(あれこれ言われる)若者にとってはストレスが多い」と述べた。

記事は、「若い世代は成長過程で親戚との交流がもともと少ない上に、価値観や社会環境の違いなどから自然と親戚に無関心になる」と説明。また、「いとこ同士でも、高等教育を受けた後の心境や目標の変化、世界観の変化によって“共通項”を持つことは難しくなる。親族かつ同世代であっても、歩みの異なる人とは接点が少なくなる」と述べた。

記事によると、専門家による研究では「都市化と人口の流動、社会の階層化、市場経済、社会保障制度、生活上のストレスと内巻き(激しい内部競争)などからますます多くの人が親戚関係を断っており、この現象は現代化による結果」「家族機能や相互扶助を弱めるものだが、個人としては無効な社交を減らす必要もある。“縁を切る”のは血縁関係があっても1年に1度会うかどうかという人で、逆に経済的、感情的に慰めてくれる家族とは親しくする。これは他者との関係性と独立のバランスをしっかりと把握できていることを表している」と指摘された。

一方で、家庭を持つなど人生の重大な節目のイベントには親族との付き合いを再開させる傾向も見られるといい、「将来的に良好な親族関係を保つためにはさまざまな縁を育み、継続させていくことが重要」とされた。

記事は、「現代社会の中で人々は新しい形の関係性を探していくものであり、最も快適な付き合いとはいつの世も各人の生活スタイルと追求するものによる」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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