インフロニア・ホールディングス<5076>、米ベインキャピタル傘下の日本風力開発を子会社化

インフロニア・ホールディングスが本社を置くビル(東京・飯田橋)

インフロニア・ホールディングスは12日、風力発電大手の日本風力開発(東京都千代田区。売上高91億4000万円、営業利益10億5000万円、純資産223億円)を買収すると発表した。米投資ファンドのベインキャピタル傘下で日本風力開発の親会社であるJWDホールディングス3(東京都千代田区)の全株式を2031億円で取得する。脱炭素化の流れの中、再生可能エネルギーの核として一層の拡大が見込まれる風力発電市場でナンバーワンの企業グループを目指す。取得完了は2024年1月下旬。

インフロニアは前田建設工業、前田道路、前田製作所の3社(いずれも元上場企業)を傘下に置く。インフラ運営事業の推進を成長戦略の柱に位置付けており、そのターゲットの一つが再生可能エネルギー分野。

日本風力開発は1999年に設立され、国内外で293基(総発電容量57万キロワット)の風力発電所の開発(2023年4月時点)を手がけ、独立系事業者として国内トップクラスの実績を持つ。自社開発に加え、他社開発案件の運転保守も手がけている。

日本風力開発は洋上風力発電をめぐる汚職事件で、前社長の塚脇正幸被告が贈賄罪で在宅起訴されている。内部統制やガバナンス(組織統治)体制の再構築が急務になっており、これを主導する役割がインフロニアには求められる。

インフロニアは昨年、洋上風力発電の技術開発に強みを持つ東洋建設を子会社化するためTOB(株式公開買い付け)を実施したが、不成立となった経緯がある。

© 株式会社ストライク