五輪切符懸け県勢が競歩日本選手権へ 花巻北高出「2人の高橋」

㊧3度目の五輪出場を狙う高橋英輝(富士通)=2023年11月、花巻市 ㊨初の五輪切符を目指して調整する高橋和生(ADワークスグループ)=8日、東京都内

 花巻北高出身で競歩に情熱を注ぐ「2人の高橋」がパリ五輪切符を懸けて大一番に挑む。27歳の高橋和生(かずき)(ADワークスグループ)と、2大会連続で五輪出場した31歳の高橋英輝(富士通)だ。ともに派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破した有力候補。神戸市で18日に行われる日本選手権男子20キロ競歩で優勝すれば五輪内定、3位以内なら代表入りが有力となる。岩手が誇るダブル高橋の“共歩”に注目だ。

 青空が広がる東京・荒川河川敷が練習コースだ。高橋和生はジョギングを楽しむ高齢者たちを軽快に〝歩いて〟追い抜く。

 早大卒業後、不動産事業などを展開するADワークスグループ(東京)に入社した。同社初のアスリート採用だが、陸上部はない。社員有志が「チーム和生」を結成し、自転車伴走や動画撮影などで練習をサポートする。

 もう一人の「高橋」は栄光の道を歩み続けてきた。日本選手権6度の優勝を誇る高橋英輝だ。

 競歩の男子20キロ代表として16年リオデジャネイロ五輪42位、東京五輪32位と納得できる成績を残せなかった。「このままでは終われない」という思いが、3大会連続の五輪を目指す原動力だ。

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