米ミズーリ州カンザスシティーで14日、銃撃があり、1人が死亡、21人が負傷した。現場付近ではアメリカンフットボールのプロリーグNFLの優勝パレードが開かれ、多くの人が集まっていた。
当局によると、負傷者のうち8人は命に関わる重傷を負っており、別の7人も同様の深刻な状態に陥りうるという。
現地の病院は、負傷者には子供9人が含まれていると明らかにした。
警察は、銃撃に関わったとみられる容疑者3人を拘束している。
ジョー・バイデン米大統領は声明を発表し、銃規制の強化を求めた。
ミズーリ州の「カンザスシティー・チーフス」は11日のNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」で2連覇を果たした。
14日に行われた優勝パレードには数千人のファンが集まった。パレードは午後2時ごろ、市中心部のユニオン駅の外で終了した。
銃撃はユニオン駅の西側であった。現地メディアによると、銃撃が始まった時にはまだ、チーフスの選手たちがステージ上にいたという。
チーフスは声明で、選手やコーチ、スタッフ、そしてその家族は全員無事であり、安否も確認されているとした。
当局は、パレードの警備には800人以上の警官が配備されており、群衆の安全確保のために建物も屋上にも警官がいたと説明した。市の消防当局も、治療が必要な場合に備えて現地にいたという。
カンザスシティーのステイシー・グレイヴス警察署長は、警官らは銃撃が始まってすぐに対応し、現場にいた刑事たちも捜査を開始したと述べた。
ソーシャルメディアで共有された動画には、銃声が聞こえた後、警官が混雑した駅に流れ込み、すぐに犠牲者が救急車で運ばれる様子が映っていた。
逃げた際にけがをした人も
14日の記者会見でグレイヴス署長は、22人が撃たれ、うち1人が死亡したと発表。3人を逮捕したと述べた。
負傷者は市内の三つの病院に運ばれた。重傷者は銃撃から10分後には病院に搬送された。負傷した子供9人は、小児病院で手当てを受けているという。
このほか、銃撃は受けていないものの、逃げた際にけがを負った人々も治療を受けているという。
市当局は被害者の名前や年齢を公開していない。また、逮捕した容疑者の情報や、銃撃の背景なども明らかにしていない。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースは関係筋の話として、銃撃は口論が暴力に発展する形で起こったと伝えた。また、テロは関係していないと、この関係筋は話したとした。
警察はなお動機を捜査中で、目撃者や情報を持っている人に連絡を呼びかけている。
カンザスシティーのクイントン・ルーカス市長は、祝賀の場が銃撃の現場に変わり、死者が出たことに「心を痛めている」と述べた。
カンザスシティー・チーフスも、「無意味な暴力行為の発生に心から悲しんでいる」と声明で述べた。
バイデン氏は銃規制の強化を呼びかけ
米ホワイトハウスはバイデン大統領の声明を発表。「今日の出来事は、私たちの感情を揺らし、衝撃を与え、行動を起こさせる」と述べ、銃規制の強化を呼びかけた。
「私たちは何を待っているのか? 他に何を見る必要があるのか? あと何人の家族が引き裂かれなければならないのか?」
「今こそ行動する時だ。それが私の立場だ。そして国中の人々に私と共に立ってほしい。議会にあなたの声を届けてほしい。そうすればやっと、私たちは自動小銃を禁止し、大容量弾倉を制限し、身元調査を強化し、銃を所有したり扱ったりする必要のない人々から銃を引き離すことができる」
(英語記事 Kansas City shooting: One dead and 21 injured near Super Bowl parade)