「色の見え方が異なるのは当然」検察側 赤みが残るのは不自然ではないと改めて主張【袴田事件再審第9回公判速報】

1966年、旧静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で、死刑が確定している袴田巖さん(87)の 再審=やり直し裁判の第9回公判が2月15日、静岡地方裁判所で開かれています。

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15日は、検察が袴田さんの犯行着衣とされてきた「5点の衣類」に赤みが残る理由について主張を展開しています。

「5点の衣類」は、事件から1年2か月後に現場のみそ工場のタンクから発見されました。検察は、法医学者らによる鑑定を新たな証拠として提出し、改めて、赤みが残るのは不自然ではないと主張しました。

当時、「5点の衣類」を見た警察の鑑定人や警察官、複数の工場関係者は血痕の色について、「赤褐色」や「濃い赤色」「どす黒い赤茶けた色」など、様々な表現をしていて、色については、条件の違いや個人によって複数の見え方があると説明しました。

さらに「りんご」を例に挙げ、「白熱灯」「蛍光灯」「太陽」では、色の見え方が異なるのは当然で、光源との関係を見るべきだと主張しました。

弁護団がこれまでに示してきた「長期間みそに漬かれば血痕が黒くなる」というメカニズムについては、みその中の酸素濃度が低かったことや血痕の凝固、乾燥など化学反応を遅らせる要因を想定しておらず、条件が不十分と否定しました。

弁護団は午後、弁護団の鑑定人がまとめた意見書をもとに反論する予定です。

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