最終特急、金沢着2分で完売 県内ラストラン切符 金沢、小松駅にも列

金沢発の特急「サンダーバード」と「しらさぎ」の最終列車の切符を手に入れた鉄道ファン=15日午前10時、JR金沢駅

  ●サンダーバード、しらさぎ 

 3月16日の北陸新幹線の敦賀開業を受け、敦賀以北が廃止されるJR北陸線の特急「サンダーバード」と「しらさぎ」の石川県内ラストラン切符が15日午前10時、全国のみどりの窓口などで一斉に発売された。両特急とも金沢着の最終列車指定席は販売開始から2分以内で完売した。金沢駅など県内の各駅は関西、中京方面の足として親しまれた列車の切符を求め、鉄道ファンらが列をつくった。

 金沢駅のみどりの窓口には、販売開始直前に18人が並んだ。駅員が事前に購入希望の切符を確認し、午前10時ちょうどに一斉に購入手続きを行った。小松駅にも3人が列をつくった。

 金沢市の金大生松本遥紀さん(21)=三重県出身=は金沢発サンダーバードの最終切符を受け取り、「帰省でサンダーバードやしらさぎをよく利用した。乗車の思い出を振り返りながら大阪に行きたい」と話した。

 14日午後7時半から並び、サンダーバードとしらさぎの最終切符を手にした同市の会社員田本泰弘さん(52)は「両方の切符が取れるとは思わなかった。最高にうれしい」と喜んだ。

 JR西日本金沢支社によると、サンダーバード最終列車の指定席は大阪発が1分以内、金沢発が6分以内に完売した。しらさぎの最終列車も米原発が2分以内に売り切れた。金沢発は午前11時時点で余裕がある。

 北陸と大阪を結ぶサンダーバードは1995年、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として運行を始め、97年に現名称となった。64年に運行開始した前身の特急「雷鳥」時代を合わせると60年にわたって北陸と関西をつないだ。しらさぎは64年、富山―名古屋間で運行を始めた。両特急とも北陸新幹線敦賀開業後は敦賀駅で止まりとなる。

 3月15日には、金沢―福井間の「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」の3特急が運行を終える。

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