66歳ヒップホップ界の重鎮 性暴力疑惑で訴訟される 90年代に家を訪問して被害との女性主張を全否定

ヒップホップ界の大物ラッセル・シモンズ(66)が、元ミュージック・ビデオのプロデューサーから、1990年代に性的暴行をされたとして訴えられた。レコード会社デフ・ジャム・レコーディングスの共同設立者でヒップホップ界の重鎮として知られるラッセルに対して、13日匿名女性が訴状を提出。MVのラフカットを見てもらうために家を訪問した際ベッドに押さえつけらて暴行されたとしている。

バラエティによると、訴状にはこう記されているという。「匿名女性は彼の誘いを拒否、数回にわたって『放して』『止めて』と言いました」「自分は『本気』で、『文字通りの意味だ』と彼に伝えたのです」「しかし匿名女性は力づくで押さえられ、相手の重みで動くことができず、シモンズ氏は聞く耳を持ちませんでした」

ラッセルは2017年にも複数の女性から性暴力とセクハラ行為によって訴えられバリ島に逃亡していた。同件を特集した2020年のドキュメンタリーでは全ての訴えを否定し、女性たちとの関係は合意の上だったと主張していた。

今回の件で、匿名女性は、ラッセルの過去の件と似たような被害を受けたとして、訴状はこう続いている。「他の被害者たちのことについて知った匿名女性は、シモンズ氏との怖ろしい体験が他の女性たちのそれとあまりに似通っていることに衝撃を受けたのです」。さらに匿名女性は被害の前に、自身が働く会社内でもラッセルからセクハラ行為を受けたとしている。

一方原告の弁護士、ケニャ・デイヴィス氏とシグリッド・マコーリー氏はバラエティに対してこう話している。「彼女はヒップホップという当時急成長していた音楽ジャンルへの自身の貢献度に誇りを持っていました。しかし裕福で力のあるセレブリティ、その富と影響力により何十年にも渡り虐待行為を続けることが許されたシモンズ氏によって音楽界での彼女の努力とキャリアは中断され、頓挫することとなりました」「今エンターテインメント業界で成功したライター、プロデューサーである匿名女性の、シモンズ氏とのトラウマ的体験は、何十年に渡り彼の餌食となった大勢の女性と通じるものです」

ラッセルから暴行を受けた後、匿名女性はデフ・ジャム・レコーディングスを退社。解離、うつ、不安に悩まされたそうで昨年3月にはヨガのクラスでラッセルと偶然出くわし、自分の名前を呼ばれた時には一瞬で戦慄が走ったとしている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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