フィリピン中銀、3会合連続で金利据え置き 予想通り

[マニラ 15日 ロイター] - フィリピン中央銀行は15日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を6.5%に据え置いた。据え置きは予想通りで3会合連続。

声明では「インフレ見通しに対するリスクは後退した」との認識が示された。

アナリストは、昨年第4・四半期の経済は予想以上に好調だったが、向かい風は強まりつつあり、早ければ5月にも利下げが実施される可能性があるとみている。

中銀はリスク調整後の今年のインフレ予測を4.2%から3.9%に引き下げる一方、来年は3.4%から3.5%にやや引き上げた。

レモロナ総裁は「物価安定の責務に照らし、中銀は引き続き必要に応じて金融政策を調整する用意がある」と表明した。

インフレの上振れリスクは輸送費・公共料金・燃料コストの上昇のほか、エルニーニョ現象の影響による食品価格の上昇が原因となる可能性があるという。

ロイターの調査では、エコノミスト24人全員が据え置きを予想していた。ただ、中銀が景気支援に動く可能性を指摘する向きもある。

キャピタル・エコノミクスは調査ノートで「インフレ率が低水準にとどまり景気回復への向かい風が強まれば、今年半ばにも利下げがある」との見方を示した。来年は200ベーシスポイント(bp)の利下げが予想されるという。

中銀は2022年5月以降、政策金利を450ベーシスポイント(bp)引き上げた。

1月のインフレ率は前年比2.8%で、過去3年余りで最も低かった。食品価格、公共料金、燃料価格の上昇が鈍化した。

中銀は今年のインフレ率目標を2─4%としている。

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