中国春節の食卓、人気年越し食品が示す変化

中国春節の食卓、人気年越し食品が示す変化

26日、広西チワン族自治区柳州市鹿寨県でソーセージを天日干しする地元住民。(2023年12月26日撮影、鹿寨=新華社記者/黄孝邦)

 【新華社長春2月15日】中国は広大な国土を持ち、春節(旧正月)の年越しの風習や特産品も地域によって大きく異なる。交通がより便利で、物流がより効率的になった現在では、東北地方の出稼ぎ労働者が広東省の特色ある「年糕」(春節に食べる餅)を持って帰省し、南方の人々が「年夜飯」(年越し料理)のために、東北名物の「辣白菜」(白菜の甘酢漬け)や「鍋包肉」(東北風酢豚)をネットショッピングで買い求めており、年越し消費で異なる地域の風俗習慣の融合が加速している。

 今年では、これまでと比べ品物がよく流動するようになり、北と南の特色ある年越し用品が地域を越えて融合し、地域の農産物が大量に大都市の食卓に届けられるという特徴が見られた。

 ネット通販大手、京東集団(JDドットコム)の統計データから、興味深い正月用品のトレンドが明らかになった。春節時期に、黒竜江省の消費者は約3600キロ離れた広西チワン族自治区の特産品の「砂糖橘」(ミカンの一種)を大量に購入し、取引額は前年同期比約2.9倍になった。

中国春節の食卓、人気年越し食品が示す変化

8日、アリババグループの生鮮スーパー「盒馬鮮生(フーマー)」の北京の店舗で、オンラインで注文を受けた商品を選ぶ従業員。(北京=新華社配信)

 辛い物好きの四川省の消費者に最も人気だった商品の一つは山西省の特産黒酢「老陳酢」で、取引額は約9.8倍となり、酢が好きな山西省の消費者は広東風ソーセージを大量に購入し、取引額は約6.3倍となった。

 春節の年越し料理は中国の家庭にとって最も重要な食事である。中国の有名なオンライン・ショッピング・プラットフォームのデータによると、春節の前に、年越し料理関連の検索数が前年比3倍以上となり、検索数ランキングでは東北料理がトップ5にランクインした。京東の担当者は、広西や湖南省などの南方地域で、東北名物の「鍋包肉」の取引額が10倍以上の増加となったと明らかにした。

 吉林大学行政学院の田玉麒(でん・ぎょくき)教授は「東北地方の氷雪観光の人気が、東北ならではの年越し用品や料理への注目度を高めた」と指摘した。(記者/姚湜、段続)

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