北陸新幹線延伸でかえって不便に? 大阪・名古屋からの直通特急がなくなり乗り換えには13分… 16分短縮で料金は1620円アップ

北陸新幹線の延伸まで、あす(2月16日)で1か月、現在は東京から金沢までの区間が、金沢の先の福井県・敦賀まで路線がさらに延びます。

能登半島地震の影響で観光客激減の石川県では、この北陸新幹線に大きな期待を寄せています。

能登半島地震が発生してから1か月と2週間が過ぎました。

金沢市の中心部にある近江町市場は、市民の台所として約300年、食と暮らしを支えてきました。

しかし…。

(近江町市場の つくだ煮店)
「1月半ばくらいまで(客が)少なかった」

金沢市は大きな被害を免れ、日常を取り戻しつつありますが、石川県によりますと、県内の温泉地や金沢市内のホテルなどのキャンセル数は、1月末までに約29万9000件、キャンセル率は約63パーセントに上っていることがわかりました。

(近江町市場の鮮魚店)
「1月は、まるっきり客が来なかった。2月になって、ようやく動き出してきた」

そこで「客足回復」の期待を集めているのが北陸新幹線の延伸です。

現在、東京駅と金沢駅の間を運行していますが、3月16日からは金沢駅から福井県の敦賀駅まで約125キロ、営業区間が延びます。

(近江町市場の鮮魚店)
「敦賀駅まで延びて、全国から人が来てくれる可能性はあるので期待している」

しかし、課題もあります。

現在、金沢駅まで運行している名古屋・大阪方面からの特急の「しらさぎ」と「サンダーバード」は乗換なしですが、3月16日からは名古屋・大阪方面からは福井県の敦賀駅で北陸新幹線に乗り換える必要があるのです。

(名古屋からの観光客)
「乗り換えがあったら、多分(金沢まで)乗らない。1本だったら考える」

名古屋から金沢までは、これまでより時間は16分短縮されるということですが、運賃は1620円高くなります。

そして、乗換駅の敦賀駅は開業後は混雑が予想されます。

階も違う…在来線から新幹線の乗り換えに13分

1月、スムーズに乗換できるかJR職員900人が参加してシミュレーションが行われました。

このときの想定は、新幹線で金沢方面から敦賀駅に到着して在来線に乗り換えるというもの。

参加者は2階の改札経由で1階の在来線ホームを目指します。

途中、通勤ラッシュ並みの混雑ぶり。

1階に向かうエスカレーターには乗客が集中し、コンコースは大混雑!

この時には乗換完了までに約13分かかりました。

JRが想定する乗換所要時間は約8分ということで、かなり差が出た結果に。

(JR西日本 金沢支社 岡久資 副支社長)
「エスカレーターの前に(乗客が)集中した所もあったので。より安全に、ご案内できるように工夫していきたい」

この開業に伴い、JR西日本では名古屋から金沢までの運賃が約900円引きになる「特別企画乗車券」を2月16日からインターネットで早期購入できるようにします。

新幹線効果で金沢市をはじめ地震の影響を受けた北陸の観光地への客足は、どれほど伸びるのか?

金沢~敦賀間の開業は3月16日です。

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