沖縄キャンプスタート 広島カープ 41人のサバイバル 地元歓迎式で新井監督が島内颯太郎に無茶振り 九里亜蓮はいきなり120球 内間も河野も好調

小宅世人 アナウンサー
『はいさーい』ということで、わたくし、沖縄市のコザしんきんスタジアムに来ております。きょうから広島カープ、沖縄キャンプが始まりました。ちょうど、キャッチャーの 髙木翔斗 選手が、石原慶幸 コーチと一緒にノックを受けている様子が見えます。ほとんどの選手は、さきほどフリーバッティングが終わって、もう引き揚げているんですが、高木翔斗選手は最後までコーチとマンツーマンでノックを受けながら居残り練習をしていると、これもキャンプの醍醐味だと思います。

きょうは、最高気温25℃ということで、とにかく暑いんです。ぼくも半そでを沖縄に持ってきたんですが、朝だったり夕方はちょっと冷え込むかなと思って、シャツを着てきたんですけど、もう暑い、暑い。ちょっと動いたり、移動しようもんなら汗が噴き出てきます。しゃべったらのどが渇いたので、ちょっとお茶をいただいてもいいですかね。さんぴん茶。すっきり、気持ちがいいです。

きょう15日、コザしんきんスタジアムで初日の練習をまとめています。

広島カープ 新井貴浩 監督
「おはようございます」

南国らしい日差しがカープの選手たちを迎えた沖縄キャンプ初日―。およそ2週間のキャンプを乗り切るために地元の特産品が贈呈された歓迎セレモニーでは、最後に新井監督がお礼のあいさつをするという流れでしたが…

新井貴浩 監督
「まず、わたしのあいさつの前に、今、最優秀中継ぎ投手賞を表彰していただいた 島内(颯太郎)がどうしても、どうしても一言、みなさまにお礼を伝えたいということなので、島内さん、よろしくお願いします」

広島カープ 島内颯太郎 投手
「みなさま、おはようございます。まずは記念品、ありがとうございます。…ことしも昨年以上の成績を残すべく、この沖縄の地でがんばりたいと思います。よろしくお願いします」

新井貴浩 監督
「すいません。お騒がせしました。すいません。ことしは昨年よりももう一段高い場所に登れるようにわたしも選手とともにがんばります」

1軍キャンプ切符を手にした41人によるサバイバルの日々がスタート。午前中から20℃を超えた暖かい空気の中、熱気を帯びたのはブルペンでした。

大瀬良大地 が、58球を投げれば…、同期の 九里亜蓮 は、その倍以上となる120球。初の開幕投手をめざす男が、日南に続き、バッターやカウントをイメージしながら濃い内容のブルペンを過ごしました。

広島カープ 九里亜蓮 投手
「1回は100球を超えた球数を投げようという思いで、キャンプに入る前からイメージはしていたのでプラン通りです。去年のシーズンが終わってからフォーム(歩幅)をちょっと変えてやってきている中で、実戦の中で試すところは試していきながらになると思いますけども、結果のところも自分の中でこだわっていきながらやっていきたいと思います」

そして、ルーキーにとっては生き残りをかけた競争の日々―。北海道出身のドラフト3位・滝田一希 は、生まれて初めての沖縄。暑さには慣れが必要かもしれませんが、監督が見守る環境には慣れてきたと47球を投げ、あす16日の実戦形式の登板へ備えました。

広島カープ 滝田一希 投手
― 沖縄でのブルペンはいかがでした?
「暑い。暑いっす。2月に20℃でるの初めてなので。でも、暖かい場所できょうはちょっと風が吹いているので気持ちよくできました。アピールしていかないといけない立場ですし、その中でもあせらず、けがに気をつけながら一番、やっていくことが重要なので体作りをメインにいろいろと先輩がたやコーチの人と話しながら技術や精神的にもそうですけど成長できればいいなと思います」

グラウンドでは、実戦形式の練習が行われました。マウンドに上がった1人が、楽天から現役ドラフトで加入した 内間拓馬 。ふるさとの沖縄でアピールしたいところ。きょうは25球の制限がある中、13人と対戦し、被安打3という内容でした。

広島カープ 内間拓馬 投手
「収穫の多い実戦形式の練習だったなと思います。バランスを意識した中で、特にぼくの中でスライダーの感触があまり日南のときにはよくなかったんですけど、(きょうは)実戦の中でチャレンジしてみて感触がすごくよかったので、そこは一番の収穫かなと思います。ことしは絶対に優勝して、また来年、この沖縄キャンプに戻ってきたいと思っていますし、そのための1つのピースとして活躍できるようにがんばりたいと思っています」

バッターでは、14日、侍ジャパンに選出された3年目の 田村俊介 。注目度が高まる中、プレッシャーを力に変える若鯉が、チーム唯一の2安打をマークしました。

小宅世人 アナウンサー
新戦力の内間投手の持ち味はキレのあるストレートなんですが、現在の課題はスライダーという中で、スライダーを投げるのが苦手というわけではなく、いつもシーズンでスライダーを投げてきたときに、スライダーを投げたあとの持ち味のストレートのフォームが崩れるっていうのが自分の中で懸念点だったらしくて、持ち玉ではあるんだけど、スライダーを基本、投げてこなかったって話をしていたんです。そんな中できょうの実戦形式の練習では、いいスライダーを放ることができたと話していたので、これからシーズンの中でも球種も増えていくんじゃないかと思います。

その内間投手と実戦形式の練習で対戦したのが、新外国人のレイノルズ選手なんですが、大きな当たり、センターオーバーのツーベースヒットを放ちました。わたくし、生でレイノルズ選手のスイングを見たのは初めてだったんですが、やっぱり迫力がありました。本人に話をうかがっても、「とにかく今の課題は日本人ピッチャーのタイミングになんとか合わせること」と言っていたんですが、「自分の魅力は全方向に打ち分ける器用さ、とにかくバッティングも守備も100%でやっていくので、その野球に対するひたむきな姿勢をカープファンには見てほしい」と、そんな話をしていました。

レイノルズ選手も楽しみなんですが、ほかに見てほしかったシーンがあります。内間投手と第1打席で対戦した初球なんです。

見た感じ、ふつうのバックネットへカットしたファールボールに見えるんですが、投げた内間投手に話を聞くと、外国籍選手って基本的に初球はギリギリまで待って見送ることが多いという中で、ベースの前にボールがあったときに全く(バットを)振る気配がなかったので、これは見逃すなというふうに感じたらしいんですが、次の瞬間、ものすごいスピードでレイノルズ選手のバットが出てきて、それを後ろにカットされたと。そのスイング、1球だけを見て、内間投手はものすごいスイングスピードを持った選手だなというふうに感じとったらしいんです。「いや、本当に味方ながら恐ろしい選手です」と内間投手も話していました。

新戦力が本当に豊作で、楽しみな今シーズンなんですが、もう1人、きょうの実戦形式の練習に上がったのが、若手の 河野佳 選手です。わたくし、沖縄に来る直前、前日に河野選手の母校・広陵高校に出向きまして、野球部の 中井哲之 監督とお話をしたんです。オフの期間、広陵高校に通って自主トレをしていたらしいんですが、とにかく何度も何度も平均球速を上げたいんだと話しながら肉体の改造に力を入れていたそうです。

さきほど、河野投手本人に “アツアツの情報“ を聞いたんですが、なんと現在、体重がオフ前の85キロから90キロまで増えているということなんです。アスリートが体重を5キロ増やすっていうのは、とんでもない努力があったんだと思います。そんな中で日南キャンプでの課題は、まずはフォームを矯正すること。そして、ここ沖縄では、もうどんどん実戦形式で強い球を投げていって、球速というのも気にしながらやっていきたいなという話をしていました。

© 株式会社中国放送