故障のナダルが来週のドーハ大会出場を断念。3月のアメリカでの復帰を目指し「引き続き努力する」<SMASH>

男子テニス元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現646位)が、プロテクトランキング(負傷離脱前のランキングで大会にエントリーできる救済措置)での出場を予定していた来週開幕のツアー大会「カタール・エクソンモービル・オープン」(2月19日~24日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)を、フィジカル面の不安を理由に欠場すると表明した。

昨年1月の全豪オープン(四大大会)で左股関節を痛めて以降ツアーを離脱していたナダルは、手術と懸命なリハビリを経て今シーズン開幕戦の「ブリスベン国際」(ATP250)で約1年ぶりに実戦に復帰。1回戦では元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/大会時98位)、2回戦ではジェイソン・クブラー(オーストラリア/同102位)をいずれもストレートで退け、ブランク明けとは思えないプレーでベスト8進出を果たしていた。

しかし久々の連戦が負担となったのか、続くジョーダン・トンプソン(オーストラリア/同55位)との準々決勝では左足上部を負傷。最後までコートに立ったものの試合には逆転で敗れた。その後回復に努めたナダルだったが、先月の全豪は「左足の筋肉の軽い損傷」を理由に欠場。ただしケガ自体は深刻なものではないと報告していたため、ドーハでは無事プレーできるのではないかと予想されていた。
だがスペインのテニス専門サイト『Punto de Break』によれば、ナダルは先日母国メディア『El Objetivo』のインタビューで「ここ数週間、不快感があり、少々限界にも近づいてきている。この頃はケガをするたびに肉体的な面だけではなく、精神的にも後退している」と現在のコンディションを説明。その上で「ドーハで復帰できるかはギリギリまでわからない」と話していたが、今回は無理をしないことにしたようだ。

ナダルは2月14日に更新した自身のX(@RafaelNadal)で欠場の旨をこう記している。

「大会運営チームや素晴らしいカタールのファンが、いつも僕を温かくサポートしてくれているドーハでプレーしたかった。残念ながら、今の僕は出場に向けた準備ができておらず、2014年に忘れられない勝利(優勝)を収めて以来本当に行きたかったドーハで再びプレーすることはできない」

現時点でナダルは3月3日にアメリカ・ラスベガスで行なわれるカルロス・アルカラス(スペイン/2位)とのエキジビションマッチに参加予定。同月6日から開催されるマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)でのツアー復帰を目指している。同投稿の最後には「ラスベガスでのエキジビションと素晴らしいインディアンウェルズの大会に備え、引き続き努力することに集中していく」と綴り、全文を締めくくった。

文●中村光佑

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