今田美桜、『花咲舞が黙ってない』と好相性? 杏が演じた“カッコいい”花咲舞をふまえて

日本テレビの新ドラマ枠「土ドラ9」で、池井戸潤原作の『花咲舞が黙ってない』新シリーズが今田美桜主演で4月13日より放送される。

花咲舞は正義感の強いきっぱりとしたキャラクターだ。一方で演じる今田は、近年は“かわいらしい”女性像を演じることで話題になることが多かった。

その最たるものが、『いちばんすきな花』(2023年/フジテレビ系)で演じた深雪夜々だろう。夜々は、異性と話すと自分はそんなつもりもないのに、すぐ相手の恋愛対象になってしまう。それを理由に同性から妬まれてしまうため、人間関係の作り方に悩んでいた。男性の身勝手さに怒りを感じているところがあり、紅葉(神尾楓珠)をからかったバイト先の同僚に夜々は、そこが居酒屋であることも気にせず「ばーかばーか!」と啖呵を切ることも。自然体で“かわいらしさ”を表現しつつ、ゆずれない意志を持ち続ける姿に共感した視聴者も多いだろう。

同年には、映画『わたしの幸せな結婚』では異能の家系に生まれたが、異能の力を発揮しない斎森美世を演じている。美世は家族から虐げられて育ったため、婚約者である久堂清霞(目黒蓮)と暮らし始めても、自分の意見をうまく言うことができず、控えめなところを見せていた。しかし、どんな人にも礼儀を忘れず優しい心を持っており、清霞のおかげもあって周りにビクビクしなくなってからは、心のうちに強い意志を秘める女性となっていった。

『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(2022年/日本テレビ系)で今田は、落ちこぼれだが出世を目指す会社員・麻理鈴を演じた。麻理鈴はさまざまな部署やプロジェクトチームへ次々と異動しながら、行く先々で起こっている、学歴や性別での偏見やいじめ、仕事上の困難な課題を解決しようと奮闘。その情熱で周囲を動かし、自身も成長していった。この作品は“お仕事ドラマ”であるという点から見れば本作と似ているところがあるが麻理鈴は色々指摘しつつも、最後にはかわいく、「一緒に頑張りましょう!」というタイプ。今回演じる花咲舞のキャラクター性とは少し違うところがある。

花咲舞は、東京第一銀行で窓口業務を担当する銀行員だ。明るく親切で頼りになる舞は同僚や顧客から人気があったが、ある日突然、臨店班に異動を命じられる。臨店班とは問題を起こした支店へ直接出向き、業務改善できるように指導・支援し、解決を図る部署のこと。もともと正義感が強い舞は、不正行為や理不尽な慣習の犠牲になる人々を見過ごすことができず、間違っていると思ったことを徹底的に追及していった。

納得いかない命令に反論する時は「お言葉を返すようですが」と切り出し、悪事を暴かれた相手が声を荒らげると、「黙りません!」「そんなの絶対間違ってます!」とキッパリと言い返していた。一方で、舞はとても人情味あふれた人物でもあり、行員の粗探しをするような仕事に疑問を感じ、しおらしく悩む時もあった。

今田が演じてきた役柄から見れば、正義感が強く、物怖じしない性格の舞とは相性はとても良さそうだ。一方で、2014年版の『花咲舞が黙ってない』で主演を務めた杏のイメージもあり、クールで“カッコいい”印象の舞をどのように演じてくるのかが大きな注目ポイントとなりそうだ。
(文=久保田ひかる)

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