リタイアしたばかりの60歳。退職金の一部を「新NISA」で運用したいが注意点は?

資産運用の注意点を3つ紹介!

退職時にもらう「退職金」の使い道に迷う人も多いのではないでしょうか。

なかには、退職金を使って新NISAでの資産運用を検討している人もいるかもしれません。

ただし、資産運用を始めるにあたっては、知っておくべき注意点がいくつかあります。本記事では、リタイア後に資産運用を始める人が知っておきたい資産運用の注意点を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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新NISAとは

まずは、そもそも新NISAがどのような制度なのか確認しましょう。

新NISAとは、投資で得た利益や配当金にかかる税金が非課税となる制度です。

通常、投資では利益や税金に対して約20%の税金がかかります。例えば、投資で20万円の利益が出た場合、約4万円が税金として差し引かれて残りの16万円を受け取れるイメージです。

ただし、新NISAで投資をすれば税金が発生しないため利益20万円を全額受け取れるため、効率的に資産を増やせます。

また、新NISAは従来の一般NISAやつみたてNISAから制度が改善されてさらに使いやすい制度となっていることも特徴です。年間に投資可能な金額は360万円と高額で、非課税期間に期限もありません。

NISAの概要

資産運用の注意点1.投資は元本保証がない

新NISAがお得な制度であることを確認しましたが、新NISAを使って資産運用をおこなう際には注意すべき点もあります。

資産運用の注意点1つ目は、投資は元本保証がないことです。銀行預金は基本的に預けたお金が減ることはないですが、投資では運用成績がマイナスになって資産評価額が元本を下回ることもあります。

アメリカの大企業約500社に投資するETF(SPDR S&P500ETF)の過去の運用成績を見てみると、全体的には価格が上昇していますが、年によって価格が大きく下がっている局面もあります。

そのため、「投資は絶対に儲かる」と過信をするのではなく投資にはリスクがあることも理解した上で資産運用を始めましょう。

資産運用に回す金額と貯金する金額をあらかじめ決めておくことがおすすめです。

資産運用の注意点2.投資は手数料がかかる

資産運用の注意点2つ目は、投資には手数料がかかることです。

株式や投資信託、ETFなどを購入する際には、原則売買手数料や信託報酬などの手数料がかかります。特に、投資信託とETFを購入する際には「信託報酬」に注意しましょう。

信託報酬とは投資信託とETFを保有する限り継続して発生するコストです。純資産から毎日、日割りの信託報酬が引かれており、基準価額は、信託報酬が差し引かれた後の金額となります。

投資信託やETFの種類によって信託報酬は異なります。信託報酬ごとにみた100万円分の投資信託を保有した際に、合計で発生する手数料は以下のとおりです。

投資信託・ETFにかかる手数料《信託報酬別》

【信託報酬別】保有期間ごとの手数料

信託報酬 保有期間1年 保有期間10年 保有期間30年

  • 年率0.1% 1000円 1万円 3万円
  • 年率0.3% 3000円 3万円 9万円
  • 年率0.5% 5000円 5万円 15万円
  • 年率1% 1万円 10万円 30万円
  • 年率2% 2万円 20万円 60万円

信託報酬が年率0.1%の投資信託では30年間でかかる合計手数料は3万円ですが、信託報酬が年率1%の投資信託では合計30万円もの手数料がかかります。

30万円は決して無視できない金額です。そのため、投資信託やETFに投資する際は信託報酬を確認してください。

資産運用の注意点3.集中投資はリスクが高い

資産運用の注意点3つ目は、集中投資はリスクが高いことです。

特に老後から資産運用を始める場合は、できるだけリスクを抑えて資産運用を始めたいと思う人も多いのではないでしょうか。そのような方は集中投資を避けて分散投資がおすすめです。

投資する銘柄やタイミングを分散すれば、安定的な運用ができる可能性が高くなります。

1つの株式銘柄に一括で数百万円も投資するような方法はかなりリスクが高いので、老後の資産運用としてはおすすめできないでしょう。

資産運用は慎重におこなおう

資産運用は、何にどのような方法で投資するかによって将来の資産評価額が大きく異なります。

そのため、本記事で紹介した注意点なども参考にしながら慎重に資産運用を始めてみてください。

参考資料

  • 金融庁「NISA早わかりガイドブック」
  • Google Finance「SPDR S&P500 ETF」

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