ロシア、米警告を「でっち上げ」と非難 宇宙の核能力巡る報道で

Guy Faulconbridge

[モスクワ/ワシントン 15日 ロイター] - ロシア高官は15日、宇宙におけるロシアの新たな核能力に関する米国の警告を否定し、ロシアに対抗する資金を議会に承認させることを目的としたホワイトハウスの策略だと指摘した。国営タス通信が伝えた。

米政府はロシアの核能力に関する新たな情報を議会と欧州同盟国に伝えた。国際的な脅威になり得るという。状況説明を受けた関係者が14日、ロイターに明らかにした。

それによると、対衛星兵器の開発に関連しており、米国に差し迫った脅威をもたらすものではないという。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に、ホワイトハウスから詳細が発表されるまでは報道内容にコメントしないとしつつ、米国の警告は明らかに同国の議会に資金手当ての承認を促すためのものだと述べた。

ロシアの軍縮交渉代表者であるセルゲイ・リャブコフ外務次官も、米国による「悪意あるでっち上げ」だと非難した。

ブリンケン米国務長官は訪問先のアルバニアで記者団に、同盟国やパートナー国とこの問題について協議していると述べた。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、ロシアが宇宙空間で人工衛星を攻撃する兵器を開発していると指摘。まだ配備されていないとした。

バイデン大統領がロシア政府との直接的な外交接触を求めたとも述べた。

核能力の開発には言及しなかったが、専門家は核弾頭で爆発を起こす装置というより、人工衛星の内部にある電子機器を破壊するための原子力を利用した装置である可能性が高いと分析している。

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