関東自動車(栃木県宇都宮市簗瀬4丁目、吉田元(よしだげん)社長)は15日、主に県央エリアの路線バスを対象とした3月16日のダイヤ改正を発表した。4月からドライバーの残業規制が強化される「2024年問題」を受け、一部の路線・系統で最終便を繰り上げ、土日祝日の運行を取りやめる。対象となる68系統で計322便、年間平均で4.9%の減便となる。
4月から、バス運転士などドライバーの年間の時間外労働時間の上限規制が強化され、拘束時間も制限される。同社によると、運転士数は大幅に変わらない一方、労働・拘束時間の縮減と休息時間の確保が必要になることから、減便は避けられないと判断した。
JR東日本の鉄道ダイヤ改正のタイミングと、年度初めの混乱を避けるため、改正日は3月16日とした。
減便するのは宇都宮、鹿沼、日光、真岡、さくら、那須烏山、下野、上三川、益子、市貝、芳賀、壬生、塩谷、那珂川の14市町で運行する系統。平日92便、土曜141便、日曜祝日89便を減らす。
対象の路線・系統のうち、壬生町内の「おもちゃのまち駅-独協医大病院」とJR自治医大駅と自治医大病院を結ぶ「自治医大病院線」は土日祝日の運行を全便取りやめる。現在、土曜に計86便、日曜祝日に計62便を運行しているが、「平日と比べ病院関係の利用者が極端に減少する」として取りやめを決めたという。
利用状況を踏まえ、宇都宮市内の「卸団地線」の日曜祝日の運行を取りやめる。深夜バス「宇都宮駅-帝京大学」(1便)は廃止する。
この他、各系統で最終便の運行時間を繰り上げたり、運行間隔を広げたりして減便する。
「宇都宮駅-桜通り-西川田駅」と「宇都宮駅-桜通り-鶴田駅」は、平日と土曜の最終便を繰り上げる。宇都宮駅発の最終便は現在の午後10時27分から、同9時18分と1時間以上早まる。
「宇都宮駅-陽西通り-鶴田駅」も、平日と土曜の最終便について、宇都宮駅発は同10時10分から同9時半に40分繰り上げる。この他、「宇都宮駅-ろまんちっく村」「宇都宮駅-石橋駅」「石法寺・真岡線」「宇都宮東武-益子」などで最終便を繰り上げる。
「宇都宮駅-JR日光駅・日光東照宮」「宇都宮駅-駒生営業所」などでは運行間隔を広げるなどし、便数を減らす。
同社によると、全国では減便率が10%を超える事業者もあり、担当者は「輸送サービスの低下を最小限に抑えた。法令順守と公共交通の維持のためご理解をいただきたい」としている。