G430 MAX 10K ドライバーを筒康博が試打「上半期最大の衝撃! ズルすぎ1W」

ピン史上最もブレない10Kドライバー ご意見番クラブフィッター評価は!?

ピンの大人気シリーズ「G430」から登場した「G430 MAX 10K ドライバー」。独自のカーボンクラウン技術と固定式高比重ウエートにより、上下左右の合計慣性モーメント値1万超えを果たした最新モデルは、同社で最もブレない新構造に仕上がった。そんな“10K飛(マントビ)”モデルをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「とんでもない衝撃。なんだろうコレ…? ズルすぎる」

適度なドローとフェードが出ることも確認

―率直な印象は?
「試打する前は、『G430』シリーズのブレずに真っすぐ飛ばせる性能は、既に多くのゴルファーの周知の事実で、さらに10Kといわれても…と思っていました。実際に打ってみて、その考えが浅はかだということに気づきました。とんでもない衝撃。なんだろうコレ…? ここまでの寛容性の高さとフィーリングの良さは、今まで味わったことがありません。衝撃度でいえば、昨年のキャロウェイ『パラダイム』と同等レベルで、間違いなく上半期No.1の衝撃作といえます」

深低重心となる究極の重量周辺配分

―2024年上半期のNo.1衝撃作…?
「はい。『G425』までは、もちろん打った弾道はブレていないのですが、スイング中の振り感としては高慣性モーメントを感じていました。『G430』では、そこに自分で操作できる好フィーリングが追加され、今作『―10K』はその好フィーリングがさらに増した印象。結果も出せるし、振り心地の軽快感も残る。このモデルを打って欠点を挙げるほうが難しいほど、気持ちよく真っすぐ飛ばせます。過去の『G430』シリーズ自体が既に高い性能で、すごいテクノロジーを持ち合わせていましたが、それをさらに上回っています」

前方チタンと後方カーボン部との継ぎ目

―見た目の感想は?
「新しくクラウン中央に、チタンとカーボンの継ぎ目が生まれましたが、このおかげで投影面積の大きさが気になりません。色味の違いがあることで、構えたときに前方(フェース側)に目が行き、後方の広がりがそれほど気にならない。そもそも投影面積の大きな同社のデザインに慣れていることもあり、ボテッとした印象は全く抱きません。突起部(タービュレーター)の効果で、上下の厚みがシャローになっていることも気づきにくく、それほど低く見えないのも構えやすさを助長しています」

新サウンドリブによる心地良い打音と打感

―発売前に試打した関係者から、“やさしいLST"と性能を表す人が多いようですが?
「やさしさと飛びは、どちらかに寄せるとどちらかを失うトレードオフの関係になっていますが、“やさしいLST”という表現は“飛ぶし曲がらない"を端的に表した表現だと思います。ただ、私は過去モデルを例に挙げて今作『―10K』を表すことに違和感を覚えます。それは、同社が持っているテクノロジーや設計技術、全てできることをやった結晶のようなイメージを今作に抱いているからです。あくまでも“10K”はひとつの軸であって、やさしさも飛びも全て高性能に高めた結果、でき上がったクラブという印象を抱きました」

フェースから一番遠い位置に搭載された固定式ウエート

―テーラーメイド「Qi10 MAX ドライバー」と比べると?
「うーん…、テーラーメイドとはそもそもの考え方が違う気がします。“10K”というネーミングで、同じグループ内での対決構図を思い浮かべますが、狙っていることがまるで違う。テーラーメイドは、いろいろなテクノロジーを極めた後に高慣性モーメントを追加した経緯があります。ピンは、慣性モーメントを上げることで、ドライバーの性能をアップさせる技術を続けてきて、そこに素材や構造を変化させ、打音や打感を変え、軽快さや振り心地も調整してきました。技術を施す順番、テクノロジーの柱としている要素が異なっている気がします」

「何を買っても曲がる人は一度試すべき」(筒)

―どのような人向き?
「ティショットで思った弾道が打てない、スコアメークでドライバーショットが足かせになっているゴルファー向き。このモデルだけでなく、同シリーズをフィッティングなり、試打なり、一度も試したことがない人にテストしてもらいたいです。ここ2~3年間ドライバーの買い替えを行っていない人の中には、『最新ドライバーが曲がらないって、忖度でしょ?』と思っている人はいまだに多い。そんな方に、ぜひ同社が今まで培ってきた結晶のようなモデルを打ってもらうことで、最新技術を肌で感じてもらえると思います」

自前買い換えも検討 久々の満点3項目ハイスコア【総合評価4.8点】

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ALTA J CB BLACK(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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