堀田真由、2024年は「“努力の1年”にしたい」 デビュー10周年に向けての決意

2021年の日本テレビ系列でのSeason1放送開始以降、これまで4シーズンにわたって展開されてきた人気ドラマシリーズ『君と世界が終わる日に』。これまでのシリーズ全作で主演を務めてきた竹内涼真演じる主人公・響の物語の完結編として、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』が絶賛公開中だ。初の劇場版となる本作で、高橋文哉と共に新たにシリーズに参加したのが、羽鳥葵役の堀田真由。昨年は主演ドラマ『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ・テレビ朝日系)など4クール連続ドラマ出演も大きな話題となった堀田に、シリーズ初参加となった『きみセカ』の思い出やデビュー10周年への展望について語ってもらった。

ーーこれまで4シーズン展開されてきた人気シリーズに初参加となりました。

堀田真由(以下、堀田):いよいよ劇場版なんだなという感覚でした。これまでのシリーズでも新しいキャラクターがどんどん出てきていたので、劇場版でも大和(高橋文哉)と共に葵が新しい風を吹かせられる存在になれたらいいなと思って演じました。また、響(竹内涼真)の長い旅路が結末を迎える集大成になる作品でもあるので、響を優しく迎え入れられるような2人でいることを意識しました。

ーー最初にオファーを聞いたときはどういう心境だったんですか?

堀田:『きみセカ』はゴーレムから逃げ回るイメージが強かったので、私も過激なアクションに挑むことになるんだろうなと思っていて……。ですが、蓋を開けてみればワクチンの研究員で、アクションはそんなにありませんでした(笑)。

ーーほぼタワーの中でしたね(笑)。高橋文哉さん演じる大和の幼なじみで正義感の強い元看護師という役柄でしたが、役作りで意識したことがあれば教えてください。

堀田:事前に台本を読んでいても、それこそ動きがあるシーンは実際に現場でやってみないとどうなるかわからない部分も多かったので、今回は事前に作り込むというよりも、その場で感じる気持ちを大事にすることを心がけていました。セットもすごくて、スタジオの中に入ったらタワーの研究所になっていて。普段経験することのない世界だったので、そのスケールに負けないように、自分自身もお芝居の熱量は高めに演じました。あとはやっぱり竹内(涼真)さんの存在が大きかったです。

ーーこれまでシリーズを牽引してきた竹内涼真さんがリードしてくれたと。

堀田:竹内さんは本読みでお会いしたときから、もう響にしか見えなくて。他の作品で見る竹内さんとは印象が違ったんです。本読みのときに作品に対する熱い思いを語ってくださって、本読み自体も全力で挑まれていたんです。そこで私たちの士気も上がった気がします。竹内さんの作品に対する熱を感じましたし、自分たちもちゃんとついていかなければいけないと気が引き締まりました。

ーーシリーズ初参加ということで、竹内さんから何かアドバイスはあったんですか?

堀田:今回は男性陣が多いので、文哉くんが言うには部活の部長みたいな感じで、みんなを率先してまとめていらっしゃったようなのですが、私に対してはどちらかと言うと背中で見せてくださる感じでした。令和にいないようなタイプのすごい熱い俳優さんで、私も竹内さんの姿を見て学ぶことが多かったです。一方で、すごくチャーミングな一面もあって、カメラが回っていないときにコーヒーを買ってきてくださったりして、すごく優しい先輩でした。

ーー竹内さんの影響を受けてか、高橋文哉さんも今まで見たことがないくらいの熱い雰囲気を醸し出していましたね。

堀田:そうなんですよ(笑)。文哉くんとは『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』で初めてご一緒したんですけど、そのときは1日だけの撮影だったので数時間お会いする程度で。その後、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2022」のニューウェーブアワードを一緒に受賞したんです。同じタイミングで同じ賞を受賞することもなかなかないと思うので、同じ時代を生きる俳優同士、切磋琢磨して頑張って、いつか一緒にがっつりお芝居をしてみたいなと思っていました。実はその時点でもう『きみセカ』で共演することは知っていたんですけど……(笑)。

ーーそうなんですね!(笑)

堀田:だからこそ楽しみなところもあって。年齢的には文哉くんの方が3つ下なんですけど、いざ現場でお話してみると、 とてもしっかりした方で、周りに対する気遣いもすごくて。竹内さんと文哉くんは特に、激しいアクションがあったりスケジュールがタイトな中いろんなロケにも行かれていたんですけど、本当にいつも楽しそうでした。その明るい雰囲気がとても素敵でしたね。

ーーSeason1から出演されてきた中条あやみさんとは公開中の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』でも共演されていましたね。

堀田:以前ゲストで出演させていただいた『白衣の戦士』(日本テレビ系)で共演したことがあったのですが、『ある閉ざされた雪の山荘で』で久々にご一緒しました。「このあと『きみセカ』の撮影に入るんです」という話をしたら「大変だよ!」と言われました(笑)。

ーーあと今回はミライ役の子役・英茉ちゃんとの共演シーンも印象的でした。

堀田:他の作品でもそうなんですけど、4~5歳って、徐々に自我が芽生えていろんなことがわかるようになってくる年齢なので、すごく難しいですよね。今回は特に、ゴーレムという存在がいるので、小さい子からしたらすごく怖かったと思うんです。研究所のシーンでは、長い間医療器具をつけて撮影しなければいけなかったりもしたので。そんな中でも、英茉ちゃんは本当によく頑張って撮影に臨んでいて、現場における癒しのような存在でした。

ーー撮影がないときは一緒に遊んであげたりも?

堀田:私のことをいつも役名の「葵先生」って呼んでくれていて、撮影がないときは一緒に折り紙をしたりして遊んでいました。英茉ちゃんが頑張った日は、お母様がいつも英茉ちゃんに「よく頑張りました」というシールをあげていたんですよ。それであるとき、英茉ちゃんが私にもそのシールをくれたことがあって。大人になると「よく頑張りました」と褒めてもらうことがなかなかないので、それがすごく嬉しかったです。

ーー昨年は主演ドラマに主演映画もあり大活躍だった堀田さんですが、2024年はどんな年になりそうですか?

堀田:2023年は本当にたくさんの作品に出演させていただいて、いろんな経験ができました。並行して複数の作品に挑んだりする中で見えてきたものもいっぱいあるのですが、今年は逆に、特定の作品に没頭して、役の幅を広げることになりそうなので、昨年とはまた違った1年になるのではないかと思っています。

ーーそして2025年はデビュー10周年の年になります。

堀田:早いものでもう10周年なんだ……という感じです。ずっとお芝居が好きなのは変わらないので、初心を忘れずにいたいなと思っています。ただ、年齢を重ねていくにつれて、周りの環境だったりいろんなことが変わっているので、10周年に向けて、今年はもう一段階上のステージに行くための“努力の1年”にしたいです。あと、ファンの皆さんとは舞台挨拶とかでしかお会いする機会がないので、10周年の年は皆さんとお会いできるような機会を作れたらいいなと考えています。

(取材・文=宮川翔)

© 株式会社blueprint