裏金還流、32議員が認識 使途は懇親費や車購入、自民調査

派閥裏金事件を巡る自民議員の聞き取り調査結果を岸田首相に報告し、取材に応じる自民党の森山総務会長=15日午後、首相官邸

 自民党は15日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、政治資金収支報告書に不記載があった議員ら91人への聞き取り調査結果を公表した。パーティー券売り上げの資金還流を認識していた議員らは32人に上り、うち11人は不記載も認識していた。主な使途として、懇親費用や車両購入など15項目を列挙。違法な使途は否定した。安倍派では不記載が20年以上前から行われていたこともうかがわれるとした。具体的回答は匿名とした。

 岸田文雄首相は公表後「今後も説明責任を果たすよう求めていく」と記者団に強調した。

 立憲民主党の泉健太代表は記者団に「肝心なことは何も書いていない。お手盛りの調査だ」と自民批判を強めた。

 聞き取りの結果、2018~22年の5年間の不記載は総額約5億7949万円で、13日に公表した全所属議員アンケートと同額だった。対象は安倍派と二階派の現職82人、選挙区支部長3人の計85人。他の派閥・議員グループの幹部からも聴取し、合計91人となった。

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