宿泊税導入へ理解深める 那須町観光協会が事業者対象の説明会 観光振興の新たな財源確保へ

あいさつをする阿久津会長(右)

 【那須】観光振興の新たな財源確保を目的とした「宿泊税」の導入を町に要望する方針の町観光協会は13日、町内の宿泊事業者を対象に、宿泊税に関する初めての説明会を湯本の那須高原ビジターセンターで開いた。

 同協会員、非会員を含め約90人が参加。宿泊税の基本的な知識や、導入に向けた課題などについて説明を受けた。

 町観光商工課の増子政秀(ますこまさひで)課長が、宿泊税は地方自治体が独自に課税できる法定外目的税の一つであることや、先行自治体の事例を紹介。同協会の伊藤美香(いとうみか)DMO戦略室長(53)が、観光地域づくり法人(DMO)運営に必要な安定的財源を確保するといった、宿泊税導入の必要性などを説明した。

 那須温泉旅館協同組合の片岡孝夫(かたおかたかお)理事長(51)は「将来的な人口減に伴う財源の枯渇は確実。この議論は、町が長く観光客に愛され、住む人にとって価値があり続けるための一歩目と思っている」と述べた。

 一方、質疑応答では参加者から「入湯税をかさ上げする方法もあるのでは」「なぜ宿泊事業者だけに負担を強いるのか」などの意見が出された。町観光協会の阿久津千陽(あくつちあき)会長(53)は「日帰り客からも頂く施設利用税なども検討したが、将来的なことを考え、地域の状況を鑑みて宿泊税がベストと判断した」などと答えた。その上で「引き続き説明会を開催し、合意形成に向かいたい。できるならば導入にこぎ着けたい」と話した。

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