回転窓/花粉の季節

今週の列島は暖かい陽気に包まれている。春が近づくのはありがたいが、花粉が気になる方も多かろう▼花粉は、気温の高い晴れた日や、空気が乾燥して風が強い日などに飛散しやすいとされる。環境、厚生労働両省がまとめた花粉症対策の冊子によれば、花粉症有病率は2019年時点で約43%。1998年と比べ2倍超の規模だ▼国レベルの由々しき課題であり、政府はパッケージで対策を推進中。杉人工林の伐採・植え替え加速といった発生源対策や花粉飛散防止に取り組み、約30年後の花粉発生量半減を目指す。治療薬の増産や予防行動の周知なども進める▼花粉症になると子供は勉強に集中しづらくなるそう。つらいのは大人も同じで生産性を低下させる。花粉飛散量が極めて多い日は、屋外活動を避けることや、テレワークの活用が望まれるという▼人によって症状や度合いが異なり、大変さが周りからなかなか理解されにくいのが病気の難しいところ。互いを思いやる気持ちが大切。隣の人の鼻がぐずついていたらちょっと気にかける。多様な人が活躍する社会にしていくためには、そうした気遣いが大事なのだろう。

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