茨城県予算案 人口減対策に力 一般会計 1兆2510億円規模

茨城県庁=水戸市笠原町

■外国人材 確保育成

茨城県の2024年度当初予算案の概要が15日、県議会主要会派への事前説明で明らかになった。一般会計は新型コロナウイルス関連費が減り、過去2番目だった前年度から3.2%減の1兆2510億円規模となる見込み。主な事業では外国人材の確保育成やデジタル教育の拡充などを進め、人口減少や人手不足への備えを強化する。

人口減少対策として、外国人材の確保や育成を目的に、1億9700万円を計上する。留学生の県内就職支援や海外の教育機関と連携した日本語講座を運営。留学生を受け入れるためのルートの開拓や、社会福祉施設など受け入れ施設による奨学金貸与などを補助する。

外国人の生活を支える関連事業には1億7800万円を盛り込む。外国人コミュニティーの中で中心的な役割を担う人を「サポーター」と位置付け、母国語での相談・支援体制を構築するほか、専門家による相談会の開催を進める。公立小中高校の児童生徒に対する日本語指導などを中心に、学校での生活支援を充実させる。

農林水産業の基盤強化にも力を入れる。産地から消費地への共同配送に必要となる物流拠点の整備費の補助に2億7000万円、次世代の漁業者が独立・就業する際の漁船や設備投資の補助に6億5600万円をそれぞれ充てる。収穫量日本一のクリの加工促進や高付加価値化を目指す産地の構造改革に3500万円を計上する。

教育面では、デジタル人材の育成を推進する。26年に予定する県立産業技術短期大学校(IT短大)の4年制移行に向けた新棟建設に9億9700万円を計上。県立高のデジタル技術を活用した探究的な教育の推進に1億4000万円を盛り込む。

このほか、主な新規事業として、放送と通信を活用した避難情報伝達システムの実証調査に3億円、農林水産物の認知度向上や販路拡大に向けたイベント開催費に5200万円、ものづくり企業による海外販路開拓の伴走支援などに1億400万円を充てる。

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