富山駅北のワンダー・ラボ跡に「くすり施設」 富山市が薬都の魅力発信、市立図書館跡から変更

くすり関連施設を整備する方針が示されたアーバンプレイス=富山市牛島町

 富山市は15日、市立図書館跡地(丸の内)に整備する予定だった「くすり関連施設」を、富山駅北口の複合ビル・アーバンプレイス(牛島町)内の北陸電力エネルギー科学館ワンダー・ラボ跡に設ける方針を示した。展示や体験などを通じ「薬都とやま」の魅力を発信する。開館時期は未定。同施設は2018年度に基本構想・基本計画が策定されたが、集客面がネックとなり、計画が滞っていた。

 同日開かれた市議会経済環境委員会で説明した。基本計画を踏襲し、売薬の歴史や、売薬業の隆盛が富山のガラスやパッケージの印刷など、他業種に派生したことを各種展示で伝える。子どもたちが薬業を目指すきっかけづくりなど、教育の側面も担う。

 23年2月までアーバンプレイス3、4階で開設されていたワンダー・ラボの跡地2100平方メートルを活用する。民間資金を生かす公民連携(PPP)導入を見据え、24年度から必要な調査に入る。整備費は未定。基本計画段階では、2階建て施設を造る想定で23億8千万円と試算していた。

 市は08年度に薬業界の要望を受け、施設建設への検討委員会を立ち上げた。城址公園内にあった市立図書館が移転したことに伴い、図書館跡地に建設することにし、18年度に基本構想・基本計画を策定。ただ、民間調査などで、単体の施設を建てても集客面で課題があると指摘を受けた。誘客が期待できる民間施設との複合化を検討してきた。

 今年3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸されるため、市は首都圏や関西方面からの観光客を誘客する好機とし、駅北口に施設を設けることでにぎわいを生み出したい考え。市営駅北駐車場も近く、大型バスで学生の団体利用も呼び込みたいとしている。図書館跡地の活用は今後検討する。

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