静岡・富士宮市が世界第4位 「アジア太平洋地域の旅行者が注目する旅行先」その理由は…

中国では旧正月の「春節」を迎え、期間中はのべ90億人が大移動するとも言われています。世界各国の観光地の中で4位にランクインした旅行先はなんと静岡県内の街でした。

能地優アナウンサー 富士宮市 8日:「富士宮市にある富士山世界遺産センターに来ています。こちらでは美しい富士山を一望することができます。この景色一目見ようと、世界各国から観光客が訪れています」

世界遺産の富士山を有する富士宮市。以前から外国人観光客から高い人気を誇っていましたが、今、さらに熱視線を集めています。

世界的な宿泊予約サイトブッキングドットコムが行った「アジア太平洋地域の旅行者が注目する旅行先」の調査で、なんと富士宮市が世界4位にランクインしたのです。

ちなみに1位はスペイン、2位はアメリカの観光地がランクインし、3位には大分県の日田市が入っています。

なぜ、富士宮が世界4位の観光地になったのか!?

その理由は、近年SNSから情報を得て、旅行先を決める観光客が多く、去年世界各国からインフルエンサーや観光ガイドが富士宮市を訪れたため、注目度が増したことが要因のひとつだといいます。

富士山世界遺産センター

富士山の歴史や資料などが展示されている富士山世界遺産センターでも、多くの外国人の姿がありました。

Qなぜここに来た?

中国から(女性)
「中国の上海から来ました。この場所はインターネットで見つけたの。いい富士山の観光になりました。母と子供たちと来ました。春節で長い休みなの。」

中国から(男性)
「僕たちは河口湖にも行ったことがあるんだ。今回は富士山を違う方向からも見たくてここに来たんだ。」

こちらの施設では、来場者の2割ほどが外国人。

インターネットでこの場所を知り、足を運ぶ観光客が多くみられました。

韓国から(男性)
「出身はソウルです。静岡に初めて友達と3人で旅行に来ました。

Qこの建物はどう知った?

「YouTubeで検索して、インターネットでも出てきました。富士山がよく見えて良かったです。思ったよりもっと大きくて、こんなに大きかったんだと。そしてここまで登るときに、ディスプレイとかがすごくよくできていて、すごいなと思いました。」

富士山の他にも、富士山本宮浅間大社や白糸の滝など、メジャーなスポットも依然人気を誇っていますが、外国人観光客が、いま「富士宮」というキーワードと共に検索しているのが・・・。

タイから
「Yakisoba!」

香港から
「Fujinomiya Yakisoba!」

富士宮焼きそば

富士宮市のご当地グルメ、「富士宮やきそば」です。

ブッキングドットコムによると、今年の旅行の傾向としてローカルな食文化に関心が高まっているといいます。

また、今まであまり旅行者が訪れていない、新たなエリアの観光がトレンドということです。

タイから(男性)
「タイからです。とってもおいしいです!タイではやきそばは人気の日本の食べ物なんだよ」

Qタイと日本のやきそばの違いは?

「削り節だよ。日本のやきそばはとても良いにおいだね。」

香港から(男性)
「香港から来ました。富士宮やきそばはとてもおいしいね。東京に行ったときにやきそばを食べたけど、油っこかったんだ。これは本当においしいね。油の加減がちょうどいい」

Q富士宮はどう?

「とても快適だよ。東京に行ったとき、たくさん人がいて、電車が複雑だったし、どこに行っても混んでいたんだ。ちょっと楽しめなかったかな。でもここは東京より人が少なくて、いろいろなところに歩いて行ける。」

こちらのお店ではアジアやヨーロッパを中心に多くの外国人観光客が訪れていて、国外からの客が2割ほどを占めています。

富士宮やきそばアンテナショップ 渡邉研介代表
「多い時には8割くらいが外国人のこともあって、ここが外国に来たみたいな感覚になることもある。もう富士宮やきそばというものができてから20何年か経っているが、だんだんこの地域から世界に広まってきたなと、とてもうれしく思う」

宿泊施設も

宿泊施設にも変化が・・・。

近年、外国人観光客から人気を集めているのは、普通のホテルではなく、より日本らしさを感じられるゲストハウスや古民家です。

能地 優アナウンサー
「和の空間が広がっていますね。」

ゴテン トモエ レジデンス 丹沢遼代表
「元々のこちらの民家のつくりの良さを殺さないように、とはいっても、新しいモダンな雰囲気を入れていくというところに非常にこだわった。」

こちらは築90年の古民家をリノベーションした一棟貸しの宿、「GOTEN TOMOE residence(ゴテン・トモエ・レジデンス)」。

こちらでは、宿泊客の8割が外国からだといいます。

ゴテン トモエ レジデンス 丹沢遼代表
「元々あるいろりや、日本の古来から使われているようなものを残しつつ、例えば上に富士山の写真が飾ってあったり、こういった天井のつくり、そこに合うような照明をインテリアとしてチョイスした。」

リビングの隣は、床の間のある寝室。

畳に布団を敷いて寝るという、昔ながらの日本の生活を体験することができます。

ゴテン トモエ レジデンス 丹沢遼代表
「日本に来る外国人旅行客は、日本らしさを旅行先に求めていると思う。一棟貸しなので、一般的なホテルのような部屋貸しの施設とは異なって、どちらかというと泊まる感覚より暮らすような疑似体験ができるというところが、日本に初めて来た方が日本で暮らすとこんな雰囲気なのかということが、肌身をもって感じていただけるのでは。」

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