鴻池組/万博現場で四足歩行ロボット実証実験、廃食油有効活用などSDGs貢献

鴻池組が2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の工事現場で「未来社会の実験場」というコンセプトの下、新たな試みを展開している。四足歩行ロボット活用に向けた実証実験を1月に始めた。廃食油から高純度バイオディーゼル燃料(B100燃料)を生成して重機に使用したり、アクアメイク(循環式汚水浄化設備)による水循環を実施したりするなど、SDGs(持続可能な開発目標)を見据えた取り組みも実践していく。
四足歩行ロボットは工事現場の巡察に活用し、現場職員の負担を軽減する。不整地な場所や20センチまでの段差・階段を走行できるUnitree社製ロボット「Unitree B1」を活用。遠隔での映像・音声共有や360度動画の高速リアルタイム配信、特定ルートの自動走行を行うことができる。
実証実験では、ロボットを現場内で走行させ、遠隔操作や必要な通信環境などを確認した。今回のロボットは「KOCoRo/心」と命名しており、他現場でも利用していく予定だ。
SDGsに向けては、掘削重機にリニューアブルディーゼル燃料を使用するとともに、仮囲いに設置した太陽光パネルで発電して電力を蓄電池にためることで、24時間給電が必要な設備の夜間電力を賄う。
現場で使用後に廃棄されるプラスチックごみなどを3Dプリンターの原材料として利用。廃プラスチックを原材料とするプランターを仮囲いなどに設置するほか、小催事場の観客席用のいすに生まれ変わらせるサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現にも挑戦する。いすを会期終了後に原材料に戻し、サステナブル製品としての再利用も目指す。
対象は施設整備事業の小催事場工事(大阪市此花区)。実施設計・施工一括(DB)方式で、鴻池組・安井建築設計事務所・平田晃久建築設計事務所グループが受注している。

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