水素ハイブリッド電車「HYBARI」 トヨタ「MIRAI」の燃料電池を搭載! 2030年に実用化へ

神奈川県川崎市にあるJR東日本の車両基地に停車する「HYBARI」。従来の電車とは違い、水素でつくった電気で走る国内初の水素ハイブリッド電車です。水素と酸素を反応させて電気を生み出し、その電力で走行します。

2030年の実用化を目指し、2022年にはJR南武線や鶴見線で実証実験を開始したHYBARI。カーボンニュートラル時代を見据えた“未来の電車”を紹介します。

国内初の水素ハイブリッド電車「HYBARI」

パンタグラフはなく、水素タンクが設置されている

「HYBARI」は水素を燃料にして電気をつくり走る電車です。電線から電気を取り込むパンタグラフは付いておらず、代わりに水素タンクが設置されています。1つの車両で1020リットルの水素を積むことができます。

トヨタ「MIRAI」の燃料電池を搭載

東日本旅客鉄道 一木 剛さん

床下にはトヨタ自動車が開発した燃料電池自動車「MIRAI」の燃料電池を、カスタイマイズして搭載しています。1両に積んでいる燃料電池はMIRAI、4台分です。

タンクの水素と大気中の酸素を反応させると、大量の水蒸気が発生。二酸化炭素は一切出しません。また、燃料電池だけでなくブレーキ時にも発電します。その電気を蓄電することで、車内の空調や照明に利用できます。

東日本旅客鉄道 一木 剛さん:
「HYBARIはまだ試験車で、1回の水素充填に3~4時間はかかります。この充填時間を自動車並みの15分程度に短縮することも、今後の開発の課題になります」

東京と神奈川を結ぶ南武線の一部区間などで実証実験

満充填時の航続距離は140キロ。既存のディーゼルエンジン車と比べると、燃費の面で課題は残ります。東京と神奈川を結ぶ南武線の一部区間などで実証実験を進め、2030年の実用化を目指します。

鉄道業界もカーボンニュートラル社会に貢献

東日本旅客鉄道 一木さん:
「日本が、そして世界が、脱炭社会・カーボンニュートルの社会を目指しています。微力ではありますが、1つのツールとして鉄道業界もカーボンニュートラルの社会に貢献できるようにがんばっています」

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