NYCBが全預金の95%保護可能と表明、不安和らぎ株上昇

Manya Saini

[15日 ロイター] - 米中堅地銀ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)は15日、「レシプロカル預金ネットワーク」という仕組みを活用すれば、同行の全預金の95%は預金保険で全面的にカバーできると明らかにした。その金額は187億ドル超に上るとしている。

これを受け投資家の不安が和らぎ、株価は上昇した。

米連邦預金保険公社(FDIC)加盟金融機関は、経営破綻した場合に保護されるのは1口座当たり25万ドルが上限。ただこれを上回る額の預金口座についても、銀行間の相互扶助制度のような意味合いを持つレシプロカル預金ネットワークを通じて預金保険の保護対象にできる。

昨年大手地銀3行が預金の大量流出をきっかけに相次いで破綻して以来、預金が守られるかどうかが大きな関心を集めている。

DAダビッドソンのアナリスト、ピーター・ウィンター氏はロイターに「これだけの高いレベルの預金が保護されるのは重要で、NYCBを巡る取り付けリスクはある程度弱まった」と述べた。

NYCBは商業用不動産関連融資の引当金負担による第4・四半期の予想外の赤字と減配を発表した1月末以来、株価が50%余りも下落していた。

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