PS5の販売台数が過去最高を更新、5000万台突破 年間目標及ばずも「値引き戦略は難しい」と説明

ソニーグループは14日、2023年度第3四半期(10月~12月)の決算説明会を開催し、同社のゲーム事業に関する現状と今後について報告した。

【画像】図表:PlayStation 5シリーズの販売台数推移(ソニーグループ資料より)

同社のゲーム事業は「G&NS(ゲーム&ネットワークサービス)」と呼称されており、コンソール機「PlayStation 5」シリーズのハードウェアやソフトウェア販売、関連ネットワークサービスの運営を展開している。同事業での同四半期の売上高はサードパーティーのソフトウェアの好調や為替の影響などにより、16%増(前年同期比、以降同)の1兆444億円と大幅増収を記録したことが分かった。一方の営業利益については、PlayStation 5のプロモーションなどによるハードウェアの損益悪化により861億円となり、301億円の大幅減益を記録した。

事業の中核となる現行コンソール機「PlayStation 5」シリーズの現況についても報告しており、同四半期中の販売台数は820万台にのぼり、四半期ベースで過去最高を達成。累計販売台数も5000万台を突破したことが明らかになった。年間ベースでは販売目標の2,500万台には及ばないとの予測を立てており、年度内の販売台数は「2,100万台前後」と見込んでいる。

図表:PlayStation 5シリーズの販売台数推移(ソニーグループ資料より)

また、プレイデータについても概要を公表しており、PlayStation 5のユーザー基盤の拡大や「Free to Play(基本プレイ無料)」のサードパーティータイトルのヒットなどが影響し、昨年12月の月間アクティブユーザー数は1億2300万アカウントと過去最高を記録。当四半期の総ゲームプレイ時間も前年同期比13%増となり、主要なユーザーエンゲージメント指標は大きく伸びたと手応えを見せた。

なお、説明会後に行われた質疑応答では「PlayStation 5」シリーズの今後の販売戦略に関する質問が投げかけられており、これに応じた十時社長は〈『PS4』とは異なりコストダウンが難しい〉と高密度チップを採用したことによる現状を説明した上で〈値引きによる販売台数を伸ばしていく戦略は難しい〉との見解を示していた。

ファーストパーティーソフトウェアについては、昨年10月に発売した「Marvel’s Spider-Man 2」の累計実売本数が今月4日時点で1,000万本を突破し、シリーズ累計の販売本数も5,000万本を超えるなど、高い成長を記録。来年度以降の展開については、同規模の既存大型タイトルの新作リリースは予定していないとしており、事業全体では「『PlayStation 5』シリーズがコンソールサイクルの後半に入ることもあり、収益とのバランスをより重視した販売の最適化を進めていくことから、来年度以降の販売台数は緩やかに減少していくことを見込んでいる」とコメントした。

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