初主演映画『シモキタブレイザー』で主人公を熱演 俳優・佐藤嘉寿人「バカ真っ直ぐを全力で演じてみました」

現在公開中の映画『シモキタブレイザー』で念願の映画初主演を飾った俳優の佐藤嘉寿人。昨年3月までボーイズグループのメンバーとして活動し、グループ卒業後は本格的に俳優の道へと進み、昨年は3つの舞台に出演するなど精力的に活動。そんな佐藤に映画の見どころや、俳優としての目標、ファンへの思いなどを語ってもらった。

■再スタートを切って臨んだ一発目の作品「全力で生きるKENと同じ気持ちで」

――まずは今回の映画の内容、そしてご自身の役どころについて教えてください。

下北沢を舞台に、お金がない貧困の若者が闇バイトに手を出し、いろんなトラブルに巻き込まれていく予測不能なノンストップドタバタコメディーです。僕が演じるKEN(ケン)という役はタトゥーアーティストで、相棒のSMOKY(スモーキー)と一緒に街で大麻の売買をしながらギリギリの生活を送っていて。そんな時、愛犬に病気が見つかって急にお金が必要になり、闇バイトに手を染め、そこから事件に巻き込まれていきます。

――佐藤さん演じるKENは、どんな人物でしょうか?

KENという人間は、まぁ…おバカなんですよ。とりあえずバカ真っ直ぐというか、何事にも全力で、今っていう瞬間を全力で必死に生きているのがKENだなと僕は思っていて、それを全力で演じてみました。

――KENはおバカとのことですが、佐藤さんはすごい真面目な方なんですね(笑)

本当ですか(笑)ありがとうございます。なんか自分自身も、この時期ちょうど新たな環境の中で、俳優として再スタートを切る一発目の作品だったので、KENと当てはまるところがたくさんあって。本当にただただ目の前のことに必死な自分もいたので、それと同じ気持ちでやれたかなと思っています。すいません、真面目でした(笑)

――KENという人間を演じるにあたって、監督とはどんなお話をされましたか?

表情筋をめっちゃ動かして、バカを演じてほしいと言われました。だから僕、この作品でずっと顔を動かしているんです。顔でバカっぽさが出てるかなと。バカでありつつ、その時の自分に重なったものもすごく多かったので、そこはもう本当に全部乗っけてやりましたね。バカであればいい、バカに見えればいいというのが監督の中での正解だったので。

――共演者の方とはどういったコミュニケーションを取っていましたか?

相棒のSMOKY役を演じた赤名竜乃介くんとは昔、シェアハウスをしていた仲でもあるんです。なので相棒としてお互い信頼できていたので、何も話さずとも出来上がっている2人の空気感みたいなものがあって、それはすごくやりやすかったです。

■主演という立ち位置は奇跡「1つの作品を背負う人の責任の重さを痛感」

――今回は初めて主演を務められました。この「主演」という2文字を見て、率直な思いを聞かせてください。

作品の顔になるのが主演の人だと思うので、その重さというか、責任みたいなものはすごく感じましたね。本当に1つの作品を背負う人というか、皆さんが知っているような作品を作ってきた人たちの責任ってすごいんだなって。

――情報解禁時のコメントの中で「撮影から公開されるまで全てが未知の感覚」とおっしゃっていましたが、実際に今(インタビュー時は公開3週間前)どのような思いで過ごされていますか?

撮影が終わってから公開されるまで、正直まだ実感があんまりなくて。俳優人生にとって、主演という立ち位置で作品を作れることって本当にめったにないというか、奇跡みたいなものなので。ずっと未知ですが、徐々に「あぁ、もういよいよ公開されるんだな」っていうワクワクした気持ちにもなって…。なんかすごいなと思いました。

――改めて、作品を見てくださる方にメッセージをお願いします。

『シモキタブレイザー』は見る人や、見るタイミングによって、見え方が変わる作品なのかなと思っています。コメディーなので楽しかったって思う人もいれば、必死に生きている若者の姿に感動したって思う人もいたり、闇バイトには手を出しちゃいけないなって思う人もいたり(笑)、それぞれ受け取り方が違うんじゃないかなと。なのでこの作品をたくさんの人に見てもらって、いろんな感情を持ってもらって、ハッピーになってくれたらすごくうれしいなと思います。

■ファンは心強い存在「応援してくれる人たちの輪をもっと広げたい」

――昨年は俳優としての活動以外にも、カレンダーの出版や初めてのソロライブを開かれました。今後何か他にやってみたいことはありますか?

バラエティー番組に出てみたいですね。芸人さんが大好きなので、芸人さんと楽しくロケをするような番組に出てみたいです。あとはカレンダーを出した時に、モノとして残るのがすごくうれしいと思ったので、海外が好きなこともあって、いつかは海外で写真集を撮ってみたいですね。

――ダンス&ボーカルグループからの卒業後も、俳優としての佐藤さんを変わらず応援してくださるファンの方はどういう存在ですか?

当時応援してくれていたファンの方というのは、僕がステージに立って、歌って踊っている姿を好きでいてくれたんです。なので僕が俳優の道に行った時、そのファンの方たちがどれだけ残ってくれるかっていう不安がすごくありました。でも今の俳優になった姿でもずっと応援してくれている方がいて、すごく心強いというか、うれしいですね。昨年末に開催した初めてのソロライブは僕がファンの皆さんに感謝を伝えたくてやったはずなのに、逆にパワーをもらってしまって。応援してくれている人たちの輪をもっと広げたいと思いますし、これから俳優として多くの作品に出て、恩返しをしたいなと思っています。

――ちなみに、今1番出てみたい作品は…?

野球が好きなので野球に関わる作品に出たいです。「甲子園を目指そうぜ」みたいなアツい作品をやりたいですね。

――では最後に、俳優としての今後の目標を教えてください。

やっぱり、まずは1つでも多くの作品に関わることです。今回初めて主演映画をやらせてもらって、作品を見て救われましたとか、ハッピーな気分になりましたとか、そういうものを届けたいなってすごく思ったんです。そのためには1つでも多くの作品に関わること、そしてたくさんの人に見てもらえるような作品に関わること、これが今の1番の目標ですね。

【佐藤 嘉寿人(さとう かずと)Profile】
1997年12月1日生まれ。舞台「大正浪漫探偵譚」(2019年)に出演。その後、テレビ朝日ドラマ「妖怪シェアハウス-かえってきたん怪-」(2022年)でドラマ出演を果たすと、翌年、映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」(2023年)で映画出演も果たすなど役者として活動の幅を広げている。

【Information】
■映画『シモキタブレイザー』
2月16日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国ロードショー
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■舞台『MIANEYO ─ごめんね。─』
公演期間:2024年3月20日 (水・祝) ~3月24日 (日)
会場:俳優座劇場
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