【フェブラリーS/追い切り診断】レッドルゼルを上回る高評価は“異例”ローテ組 「これなら一発があっても…」

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■ガイアフォース

【中間調整】重賞初挑戦だった3歳秋のセントライト記念で、アスクビクターモアとの競り合いを制して重賞初勝利。続く菊花賞では1番人気に支持された(結果は8着)ほどの素質馬だ。前に行ける積極性とスピードの持続力、渋太さが売りでその後ポンポンと重賞を制して不思議はなかったが、昨年の4歳シーズンは4月のマイラーズCでのハナ差2着が着順としては最高。昨年秋の天皇賞ではジャックドールの捨て身の逃げを番手で追走し、ジャックは完全に止まったものの、ガイアフォースのほうは粘りに粘って5着を確保したあたり、単純な能力値はやはりかなりのレベルにありそう。流れひとつ、環境ひとつ違えば……という典型的なタイプと言える。

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母父はクロフネ。母ナターレは南関東重賞3勝という血統背景から“きっかけ”としてのダート転向は早い段階から模索されており、2024年初戦で真価を問われることとなった。1月27日に栗東へ戻り、2月1日には坂路2F25秒8(馬なり)とこの馬の初時計としてはかなり速い数字をマーク。緩んだ雰囲気はなく、精神面でいい状態にありそうだ。1週前追いは中山記念に出走するエルトンバローズ、小倉大賞典に出走するイクスプロージョンを相手にCWで豪華3頭併せを展開。さすがにスルスルとは抜け出せなかったが、強い負荷を掛けられるといかにもダートに向きそうな力強い脚捌きから最先着を果たしている。賞金だけ見れば登録馬中24番手だったが、天皇賞・秋での5着が評価されレーティング4位で問題なく出走可能となることが2月12日に確定。

【最終追い切り】レース当週は長岡騎手を背に坂路単走。序盤は落ち着きと活気を同居させ、力強い踏み込みでジワッと加速していく。ラストで手前を替えてからはさらに鋭く切れた。終始馬なりで、素軽さ満点の申し分のない動きだった。

【見解】常に稽古では見栄えがする馬で、この中間も活気あふれる動きを披露している。これまで調教パートナーとして稽古をつけてきた長岡騎手が今回は本番で騎乗。1週前、最終追いとこれまで以上に意思疎通を深めるように序盤に息を合わせ、ここぞのところでゴーサインを出せているあたりに好感が持てる。1週前に強い負荷を掛けたのも同騎手の判断ではないだろうか。これなら、一発があっても不思議はない。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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