専門家から見た副業トラブルに気をつけるポイントとは?

接客だけじゃない。CAに向いている副業は?

対人関係スキルに長けているCAが接客業に適していることはもちろんですが、それだけでなく、様々な場面におけるサービス業が適していると考えられます。

当事務所の例を挙げますと、BtoC事業の場合、相談者のニーズに合わせた案件の依頼は、いわばオーダーメイド。希望に添ったサービスを提供するためには、相談者がどういったことを希望しているのか、しっかりとしたヒアリングが欠かせません。機内でトラブルが起きた際、また様々な乗客の要望に臨機応変に対応するCAは、すでにその力を備えていて、ビジネスの現場でも役立つと考えられます。

今年1月2日の羽田空港で起きた衝突炎上事故では、CAの冷静で機転が利いた対応や咄嗟の判断により、乗客全員の命が守られました。CAは、そのような危機管理能力や判断力、対応力にもかなり長けていると改めて感じています。顧客にはいろいろな方がいて、中にはクレームをおっしゃる方もいますが、そういった方のお話を伺い、状況に応じて的確な対応ができるところも、CAとしての強みではないでしょうか。

また、コミュニケーション能力が高く、日頃から危機管理に長けているCAこそ、周りの方が怪しい副業に手を出したり、トラブルに巻き込まれないように注意喚起ができる行動コンサルといった職業にも適していると思います。

甘い誘い文句には要注意。副業を始めるつもりが…

時間に融通が利くCAが副業を始めるにあたって注意すべきことはいくつかありますが、昨今20代、30代の若い女性で多い被害が、高額の「情報商材」を買わされていた!というケースです。インターネット上で、「こうすれば儲かる!」と甘い誘い文句を全面に押し出している広告を目にしたことはありませんか?同様の本が書店では1000~2000円程度で売られているのに対して、動画では50万円と高額で売られていたりするのです。しかし、このような商品は、情報自体は嘘ではないので、実際には詐欺にはあたりません。

また、今年からNISA(少額投資非課税制度)の枠が広がったことを機に、新NISAや投資に関する情報商材がかなり増えました。投資もNISAもいいのですが、高額な情報商材に飛びついても、すぐに利益は出ません。投資を始めるなら、まずはローリスクローリターンの商品から。余剰資金があれば、ハイリスクハイリターンのものに挑戦するのもいいと思います。危険なのは、リスクを理解しないこと。まずは地道に始めてみましょう。

副業を始める際に気をつける4つのポイント

CAに限らず看護師など、優秀で収入もある自立した女性たちが、そのような詐欺まがいの罠に引っかかってしまうケースが増えています。なぜでしょうか? 行動力や決断力がある女性、さらにシフト勤務などで生活のリズムが不規則な方は、周りの人に相談せず、ご自身で即決してしまう傾向が見受けられます。

華やかなイメージに反して体力勝負のCAだからこそ、「ラクして稼げる」、「スキマ時間を有効活用」というフレーズに心が揺れるのかもしれません。

そこで、注意すべきポイントをご紹介します。

1.「簡単に」「スキマ時間で」に注意!

「簡単に」「ラクに」「スキマ時間で」「数か月で」“稼げる”という言葉の裏には、危険な落とし穴が潜んでいるかもしれません。このようなフレーズには、何か裏があると思って、注意深く見てみましょう。

2.ネット上の成功体験だけを信じない

インターネットを覗けば、YouTubeをはじめSNSには成功体験が溢れています。身近に感じる分、自分も簡単にできるんじゃないか?と思い込む方は結構多いのですが、成功しているのは、ごくごく一部。プロ野球選手だって、全員がメジャーリーガーになれるわけではありません。

3.環境が変わったときこそ慎重に!

生活や環境が変わったときは、目に触れたものにパッと引き込まれて、普段しないような大胆な決断をする可能性があると考えられます。実際、コロナ渦で仕事が激減した際に、情報商材を購入してしまった実例は少なくありません。変化があった時こそ、慎重に行動しましょう。

4.費用が発生するときは、立ち止まって考える

今の時代、振込は掌のスマホで手軽にできてしまいますが、費用を払う場合には、絶対に一度立ち止まって考えてみてください。絶対にです。費用対効果、つまりコストパフォーマンスは合うのか?それに対するリスクはどうなのか?を、冷静に考えることが重要です。

副業とはいえ、やはり稼ぐためには、時間を使うのが基本です。本業との両立はなかなか難しいかもしれませんが、地道にコツコツ続けることが大事だと思います。

プロフィール

杉山一穂

すぎやま・かずほ 司法書士。大阪に事務所を開業。より多くの方の借金問題解決を使命とし、現在は東京、名古屋、福岡、広島、岡山、仙台、札幌に事務所を設立。相談実績は、月間10000件以上。過払い金請求の回収額は、日本一を誇る。

司法書士法人杉山事務所

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