マレーシアGDP、第4四半期は前年比+3%に鈍化 外需低迷で

[クアラルンプール 16日 ロイター] - マレーシア中央銀行が16日発表した昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)は前年比3%増となり、第3・四半期から伸びが鈍化した。

中銀は、成長は労働市場の改善とコスト圧力の緩和がもたらしたと指摘。声明文の中で「投資活動の伸びは、複数年にわたるプロジェクトの進行と、企業による生産能力の拡大によって下支えされた」とした。

一方、2024年の経済成長については「底堅い国内支出と外需の回復に支えられる」との見方を示した。

第4・四半期成長率は、統計局が1月19日に発表した速報値も下回ったほか、ロイターがまとめたアナリスト予想(3.4%)に届かなかった。

GDPは2023年通年では3.7%増。政府予想の4%増を下回り、22年ぶりの高水準だった前年の8.7%増から大幅に減速した。

中銀は、世界貿易の鈍化や地政学的緊張の高まり、金融引き締めといった厳しい外部環境が成長鈍化の背景にあると説明した。

ムアマラット銀行のチーフエコノミストは、昨年末に日本と英国の経済が景気後退(リセッション)に陥るなど、景気減速が世界的な傾向として見られると説明した。

外需はマレーシア経済に影響を及ぼす主要リスク要因だとし、これまで好調だった個人消費は生活費高騰への懸念から減速していると指摘。「(マレーシアは)オープンエコノミーであるため、外需の変動は輸出や製造業に影響する」と述べた。

政府と中銀は、24年のGDP伸び率を4─5%と予想している。

政府統計によると、第4・四半期の経常黒字は2億5340万リンギ(5305万ドル)と、第3・四半期の91億リンギから大幅に縮小した。

第4・四半期の輸出は6.3%減。第3・四半期は12%減だった。

第4・四半期の総合インフレ率は1.6%に鈍化。第3・四半期は2%だった。23年のインフレ率は2.5%で、22年の3.3%から鈍化した。

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