一番切符30秒完売 金沢発つるぎ 北陸新幹線第2の開業

3月16日の切符を求めて列をつくる客=16日午前9時40分、金沢駅

 北陸新幹線金沢―敦賀開業1カ月前となった16日、全国のみどりの窓口などで開業初日の切符が一斉に発売された。「一番列車」となる金沢発敦賀行きの「つるぎ1号」は普通車指定席が約30秒で完売した。最上級車両「グランクラス」は約10秒だった。石川県内の各駅では、一番切符争奪戦を制した鉄道ファンらが「歴史的瞬間に立ち会える」と歓喜の声を上げた。

 JR西日本によると、つるぎ1号は3月16日午前6時に金沢を出発する。グリーン車は約40秒で売れた。敦賀―東京の「かがやき」の一番列車は午前6時16分東京発、同11分敦賀発で、いずれも約4分で売り切れた。両新幹線ともグランクラスは5秒で完売した。

 金沢駅では午前10時の販売開始時に31人が列をつくり、駅員が希望する切符を事前に確かめた。午前10時ちょうどに発券手続きが始まり、「一番切符」を手に入れた客は「よっしゃー」と喜びを爆発させた。

 金沢市の会社員野瀬康介さん(26)=敦賀気比高OB=は16日午前2時から並び、金沢発つるぎの一番列車切符を手にした。「ネット予約は外れたので、うれしい気持ちでいっぱい。敦賀開業で盛り上がるまちを楽しみたい」と話した。

 かがやき一番列車の切符を手に入れた金沢市の中川悟さん(38)は金沢開業時も一番列車の切符を手に入れたと振り返り、「歴史的瞬間に2度も立ち会えるなんて夢のようだ」と満面に笑みを浮かべた。

 金沢駅のほか、みどりの窓口がある小松駅に12人、加賀温泉駅に9人、宇野気駅にも3人が並んだ。

 東京駅では丸の内にある窓口の前に20人ほどが列を作った。都内の大学に通う小林康生さん(19)は午前7時半から並び、能登半島地震では新潟の親戚が被災したとし「敦賀開業で北陸全体が元気になってもらいたい」と話した。

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