京都大学「吉田寮」明け渡し訴訟 入居中の一部寮生の継続居住を認める判決

京都大学

 老朽化を理由に京都大学が学生寮「吉田寮」の旧棟(京都市左京区)の明け渡しを寮生に求めている訴訟で、京都地裁(松山昇平裁判長)は16日、現在入居中の寮生の一部に居住の継続を認める判決を出した。

 吉田寮の旧棟は、1913(大正2)年に建築された木造2階建て。現役の学生寮としては国内で最も古いとされる。

 訴状によると、京大側は震度6強の地震で倒壊する危険性があるとして、代替宿舎へ転居を求めるなどして2018年9月末までの退寮を通告。しかし、一部寮生が居住し続けていることから寮を不法占有しているとみなし、寮を明け渡すよう主張していた。

 京大は19年4月に提訴。追加提訴も含めて、現在被告となっている学生らは約40人に上る。寮生側は請求棄却を求め、「対話」による解決を呼びかけていた。

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