猫は「ビニール袋」がなぜか好きだけど、命にかかわるトラブルも 注意したいことを獣医師に聞いた

家の中にあるいろいろなものが、猫の遊び道具になってしまうことがありますよね。ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん400名に「猫とビニール袋」に関するアンケートを実施しました。

【調査】愛猫はビニール袋で遊ぶのが好き?

引用元:ねこのきもちWEB MAGAZINE 猫の「生態・行動」に関するアンケートvol.02 400件の回答

まず、「愛猫はビニール袋で遊ぶのが好きか」を尋ねてみたところ、飼い主さんの75%が「はい」と回答する結果に。

ビニールのカシャカシャとする音に反応する猫も多いですが、猫たちにとってビニール袋は楽しく遊べるアイテムなのかもしれません。

【調査】愛猫がビニール袋で遊んでいて、トラブルなどが起こったことはある?

引用元:ねこのきもちWEB MAGAZINE 猫の「生態・行動」に関するアンケートvol.02 400件の回答

さらに飼い主さんたちに、「愛猫がビニール袋で遊んでいて、トラブルなどが起こった経験があるか」を聞いてみたところ、飼い主さんの18%がトラブルなどを経験していることも判明しました。

少数ではありますが、ビニール袋で遊ばせていたことであわや大惨事…になってしまうこともあるようです。一体どのようなトラブルが起こってしまったのか、飼い主さんたちにお話を聞きました。

ビニール袋が絡まって…

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

楽しく遊んでいたけれど、ビニール袋が愛猫の体に絡まってしまいパニックになってしまったコがいるようです。

  • 「スーパーの袋の持ち手部分が首にかかり、取ってやろうとしたらパニックになって走り回り、捕まえるのが大変だった」
  • 「首や足に絡まってパニックになり、そのまま部屋中をグルグル走り回って捕まえるのに苦労した」
  • 「子猫の頃、首が抜けなくて走り回っていて焦った」
  • 「持ち手に首が引っかかって、体が袋の中に入ったために、足が滑ってパニックになり、走り回った挙句、階段を滑り落ちた」
  • 「持ち手を首に絡ませてパニックになって走り回り、あちこちにぶつかりました」
  • 「レジ袋の持ち手に首が入ってパニックになり、走り回りお漏らしして大変でした」
  • 「首を袋の取っ手のところから出して、走り回り、つかまえてはずそうとしているときに、高いところに逃げて、変なところに引っかかり、首をつりそうになりました」

ビニール袋を食べてしまった

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

愛猫がビニール袋をガジガジ噛んで、切れ端などを誤って食べてしまった…というエピソードも。

  • 「知らない間に食べられていて、吐いてその事実を知った」
  • 「少し食べてしまったがすぐに発見、次の日にウンコに切れ端が出てた」
  • 「噛むのを放っておいたら、ある日お尻からビニールの切れ端?が出ていてビックリした。それ以降はビニール袋の管理を徹底している。遊ばせる時はずっとついていて噛み出したらやめさせている」
  • 「かじって口の奥に入ったビニール袋を食べそうになりました」
  • 「生ゴミを入れたビニール袋を食い破られ、猫が食べてはいけない残飯を食べられそうになった」
  • 「ビニールを噛みちぎって食べちゃったこと。夜中にしまっておいたウンチ袋をほじくり出して、朝起きたらウンチ袋の噛みちぎった残骸が…心配していたが、その後吐き戻して事なきを得ました」

幸い大事に至らなかったようですが、誤飲誤食をしてしまうと愛猫の命にかかわることもあります。十分に気をつけたいですね。

【獣医師解説】猫がビニール袋で遊ぶ危険性と、飼い主さんが気をつけたいこと

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

今回の調査ではわずかでしたが、「愛猫がビニール袋で遊んでいて危ない経験」をした飼い主さんがいるようです。猫がビニール袋で遊ぶのは危険なのか、ねこのきもち獣医師相談室の原 駿太朗先生に聞きました。

原先生:
「飼い主さんのエピソードにもありましたが、ビニール袋に関連して命の危険が起こりやすいトラブルは、やはり誤食になるかと思います。

ビニールというのは消化されません。細かい破片であればそのまま消化管を抜けて便とともに外に出ますが、下手に長さがあったり大きさがあると腸に詰まってしまいます。そうなると緊急で手術が必要になることもあり、非常に危険です。

ビニール特有の触感や音は猫を遊びへと誘惑するので、ビニール袋で遊ぶのが好きなコもいるかと思いますが、先ほど述べたように、ビニール袋は猫にとって危険をはらんでいます。

もしビニール袋で遊ばせる際は、確実に飼い主さんの目の届く範囲で遊ばせるようにしましょう。遊ばせたあとはしっかりと回収し、ビニール袋は普段から戸棚の奥などにしまっておくようにするなど、愛猫が誤食をしないように対策をしましょう」

猫が異物を食べてしまった! 知っておきたい誤飲・誤食の症状

(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・原 駿太朗先生)
『ねこのきもちWEB MAGAZINEアンケート 猫の「生態・行動」に関するアンケートvol.02』
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/雨宮カイ

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