EV所有者が悲鳴、フェリーの乗船制限で予定通り帰宅できず=港周辺は大渋滞―海南省

中国メディアの紅星新聞は15日、春節(旧正月)休みに海南省を訪れた電気自動車(EV)の所有者が困難に陥っていると伝えた。

中国メディアの紅星新聞は15日、春節(旧正月)休みに海南省を訪れた電気自動車(EV)の所有者が困難に陥っていると伝えた。

今年の春節休暇が終盤に入り、多くの観光客がUターンを始めているが、ここ数日、海南省を自家用車で訪れた観光客が復路のフェリーの乗船券をなかなか入手できない状況に陥っている。特にEVはフェリーに積める台数が限られているため、やむを得ず有給休暇を使って帰宅を後ろ倒しにせざるを得ない人もいるという。

記事によると、同省海口市の3つの港では連日1万5000~2万台の自動車が対岸に向かうフェリーを利用している。今年は渋滞を避けるため、出港3時間以内の車両のみ進入を許可しているが、実際には多くの車が乗り遅れを恐れて事前に港の外で列を作っている。待ち時間は5時間以上になることもあり、一部のEVはさらに長くなるケースもあるそうだ。

春節前に陝西省西安市から海南省に車で訪れた于(ユー)さんは「念のために少し早めに港に向かったが、港の手前から1キロほど渋滞していた」と語った。于さんは15日の午後3時過ぎの便の乗船券を購入していたが、午前9時過ぎにはすでに港付近に到着していた。

港の職員によると、今年は昨年とフェリー利用の規定に変更があった。昨年は列に並べばその場で乗船券を購入できたが、今年は事前にネット予約して乗船券を購入した上で港に来る必要がある。乗船券を購入していない場合は並んでいても無効になり、追い返される。フェリーのネット予約プラットフォームでは15日現在、ガソリン車の予約は20日まで、EVの予約は2月末まで埋まっている状態だという。

浙江省から海南省にEVで旅行に来ていた蘇さんは、「来る時も3時間以上並んだが、帰りには乗船券がさらに入手困難になると思って早めにプラットフォームをチェックし、15日の分を購入することができた」と説明。「午前4時には港の外で待機して、正午にやっと乗船した。ガソリン車は次々乗船していくが仕方がない。1隻のフェリーにEVは18台までと決められているから」と語った。

昨年12月に海南省の交通運輸部と海事局が発表した輸送ガイドラインでは、「新エネルギー車(EV)の車両は乗船後に指定された専用エリアに集中的に駐車しなければならず、1便当たりの積載台数は総量の10%、かつ18台を超えてはならない」と定められているという。

数年前にガソリン車で海南省を訪れたという湖北省武漢市在住の唐(タン)さんは、昨年EVに買い替えて今年の春節に再び同省を訪れた。唐さんは「海南省はやはり車があると便利で、充電スタンドも整っている」とする一方、「帰りの乗船券がこれほど入手困難だとは思わなかった。数年前よりもずっと手に入りづらくなっている。しかも(EVは)乗船制限まである」と肩を落とした。

唐さんは16日に海南島を出る予定だったが、購入できたのは21日の乗船券だった。会社の上司に事情を説明し、今年の有給休暇5日分すべてを使う羽目になったという。

EVのフェリーへの乗船台数が制限されていることについて、運輸会社の従業員は「直射日光で高温になったり、充電が不適切だったりした場合には発火などの事故を起こしやすい。ひとたび発火すれば船舶を深刻に破壊しかねず、乗船者の生命と安全を脅かすことになる」と説明した。(翻訳・編集/北田)

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