【音現場から・ミキサー裏話】雪の中での仕事は

文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「音現場から・ミキサー裏話」。番組の工場=スタジオ、その周辺にまつわるさまざまな話題を技術部員がご紹介。番組やイベントの裏話も盛りだくさんです!

●2月16日(金)配信

毎年この時期になると思い出すのが今から26年前、1998年2月に開催された長野オリンピックです。
私もホスト放送機関の一員として現地に派遣されていました。
先日の読売新聞にはジャンプ団体の難聴のテストジャンパーの方の話が掲載されていました。日本がジャンプ団体で金メダルを獲得した裏側には、競技が問題なく行えるか確認するため、試験ジャンプを行うテストジャンパー25人の活躍があったのですが、私この話が大好きです。NHKのプロジェクトXで取り上げられ映画にもなりました。

私が派遣されていたのはジャンプが行われた白馬村と遠く離れた志賀高原東舘山のスキー競技会場。
長野県は大きいです。何種類かスキー競技があるうちの、日本人の活躍が全く期待されない大回転の競技場でした。吹雪で競技がなかなか始まらず、延々と待ったあげく中止順延になったことも。
競技も肉眼では見ることが出来ず、テレビモニターで見るだけ。派遣されたことは思い出に強く残っていますが、競技の思い出は全くありません。
オリンピックがないと、スキーのアルペン競技が地上波やBSテレビでオンエアされることはほとんどないと思います。
YouTubeでダイジェスト配信を見ると、滑っている音がしっかりと捉えられています。競技によっては3キロにもおよぶコース各所にマイクを設置するのはかなり大変です。と言っても設置したことはありませんが……。
ジャンプは札幌等の大会をテレビで放送しているのでお馴染みですね。その音を録るには特別なノウハウが必要だと思います。
雪の中何百メートルもケーブルを引き、マイクセッティングをする方には本当に頭が下がる思い。雪が降らない地域の技術スタッフにはとても無理な仕事です。

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