15日、福島県のJR鏡石駅前で軽乗用車が暴走して2人が死傷した事故で、警察は逮捕した72歳の女がブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとみて捜査を進めています。
現場近くに設置された防犯カメラの事故当時の映像には、事故の重大さを物語る大きな衝撃音が。その5分後、パトカーや救急車のサイレンの音が大きくなっていきました。
阿部正輝記者「事故車両が駅舎に突っ込んだまま、まだ残されています。辺りにはパトカーも来ていて物々しい雰囲気に包まれています」
前方が大破した車と、それに押しつぶされたスーツケース。
事故が起きたのは、15日午後4時前。JR鏡石駅前のロータリーで、72歳の女が運転する軽乗用車が男女2人をはね、駅舎に突っ込みました。はねられたのは、埼玉県の大学1年生・星野友哉さん(19)と神奈川県の女子大学生(19)の2人。星野さんは全身を強く打ち、事故からおよそ2時間後に死亡、女子大学生も頭を強く打ち重傷です。
「ズドンと音が…」救急隊が心臓マッサージ
事故直後に撮影された写真を見ると、建物に突っ込んだ車の隣りで、救急隊が心臓マッサージを行っています。
目撃者「ズドンというすごい音がした。それで見たら駅に車が突っ込んでいるのが見えて、脇にいた人が倒れていて血がすごかった」
はねられた2人は、2月初旬から自動車運転免許の合宿で県内を訪れ、15日に卒業検定に合格して帰る途中でした。
警察は、軽乗用車を運転していた鏡石町の面川秀子(おもかわ・ひでこ)容疑者(72)を過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕しました。面川容疑者は、当時病院に向かう途中で、調べに対し「けがをさせてしまったことは間違いない」と話し、容疑を認めているということです。
事故はなぜ起きたのでしょうか。
ブレーキ痕なく 目撃者は「40~50キロ出ていたのでは」
阿部正輝記者「事故の直前、こちらの道路を直線してきたとみられる面川容疑者。しかし、交差点の目の前には一時停止の標識、さらに進入したロータリーには大きな文字で出口と書かれています」
事故の直前、面川容疑者は片側1車線の直線道路を駅の方向に向かって直進。目撃者の証言などによりますと、交差点の手前で一時停止をすることなく、出口からロータリーに進入しました。ロータリーの歩道には、自動車教習所のバスを降りた男女6人がいましたが、面川容疑者はこのうち2人をはね、駅舎に突っ込みました。
目撃していた人は。
目撃者「運転手が震えて『アクセルとブレーキを間違えた』って。すごいスピードで。おそらく40~50キロくらい出てたんじゃないの、そこ一時停止だけどそれを無視したんだから」
その後、警察の調べで現場にはブレーキをかけた痕がなかったことが新たに分かりました。
19歳の2人が死傷した痛ましい事故。警察は、容疑を過失運転致死傷に切り替え、面川容疑者がブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとみて、当時の状況を調べています。