地下に眠る大坂城が来春公開、天守閣とセットで2倍の入館料

大阪市の令和6年度予算案に、大阪城エリア観光拠点化事業として7億9000万円が計上。2025年春に公開される大坂城・豊臣石垣公開施設の整備事業が中心で、2月15日の定例会見で紹介された。

大阪城のすぐそばに設営される「大坂城 豊臣石垣」の公開施設 提供:大阪市

現在の大阪城の下に眠る、豊臣秀吉が築いた初代・大坂城。1615年の『大坂夏の陣』で豊臣方が敗れた後に、徳川幕府が築いた徳川大坂城で覆い隠されてきた。

その後、1959年に「大坂城総合学術調査団」による調査で石垣が発見。1984年にも金蔵東側の水道工事による調査で地下石垣が見つかった。

当時はそのまま埋め戻されたが、市では『大坂夏の陣』400年の節目となる2013年を機会に『大阪城豊臣石垣公開プロジェクト』を開始。12年が経過する2025年春にいよいよ豊臣石垣が一般公開される。

豊臣石垣の特徴は、自然なままの石をそのまま使う「野面(のづら)積み」と呼ばれる方法で築かれたこと。この施設が公開されることで徳川の石垣との違いを比較し、日本の歴史がダイナミックに転換した激動の時代を体感できるようになる。

同施設公開について横山英幸市長は、「崩してはいけないもので、非常に繊細に事業を進めてきたため時間はかかった。施設は地下に入って見やすい空間になっている。多くの方に石垣を体験していただきたい」と話した。

なお2025年春より「大阪城天守閣」の入館料は現在の600円から、同施設の入場も含まれて1200円に変更される。

取材・文・写真/岡田由佳子

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