人気ラーメン店に並ばなくても済む 「有料優先案内サービス」導入した店が語ったメリット

レストランのプラットフォームを開発するTableCheck(テーブルチェック)は、飲食店の有料優先案内サービス「テーブルチェック ファストパス」を2024年2月9日、スタートした。

先行導入するのは、行列ができる東京の人気ラーメン店。中には、6時間ほど待たなければ食べられない店もある。ファストパスの手数料は390~500円。こうした有料予約サービス普及のカギを、ラーメン各店への取材で探った。

「時間をお金で買えるシステムはうれしい」

「テーブルチェック ファストパス」は、旅行中で時間に限りがある、より来店意欲の高い、といった人をターゲットにしている。店側は、支払い意欲の高い顧客向けに予約価格を設定でき、適切な値上げが可能、手数料が新たな収益源になる、行列発生による機会損失を減少させられる、といったメリットがあるという。なお、予約方法はインターネットで、決済方法はクレジットカードだ。

先行導入した店は、「Japanese Soba Noodles 蔦」や「銀座 八五」、「Japanese Ramen 五感」、「博多ラーメンでぶちゃん」など、国内外で人気の高い6店。

東京・東銀座に店を構え、2023年にミシュラン1つ星を獲得した「銀座 八五」を取材した。広報は、「当店は11時~12時半の時間帯は、並んでいただいた順番で案内します。一方12時半~15時半、土日の16時までは、30分刻みでのファストパス予約制としております」説明。ファストパスによる売り上げは、「平日は1万8000円、土日は2万1000円程度」と言う。

「(ファストパス)導入後は、行列に並ぶことが難しい年配の方や時間のない観光客の方などから、『時間をお金で買えるシステムはうれしい』との声をいただいております」

SNSから情報が急速に広がったため外国人への周知につながり、多い日は予約者の7割ほどを占めると回答した。

大型の予約が入ると一気に売上増

東京・高田馬場に本店を持つ、博多ラーメン「でぶちゃん」の甲斐康太代表も、取材に応じた。2月9~15日の利用率について、「だいたい(1日)3~4件ほど。まだまだ認知は低いです。これからに期待です」と述べた。

ファストパスでの一日の売り上げは、「人数にもよりますが、2000~3000円の範囲内です。大型の予約が入ると一気に増額されます」と回答した。

ファストパスについて、「便利さを体験してしまうと、使わずにはいられないかと思います。時間をお金で解決出来るわけですから」と評価する。

「無料で予約できていた部分にお金(支払い)が発生することで明確な優先権が発生する、最良なシステムかと思います」

一方で、現時点では、行列のできる有名店の「一蘭ラーメン」や「ラーメン二郎」系列店ではファストパスは導入されていない。

東京23区内にある、行列のできるラーメン店の店長は「当店では席数も多くないし、僕も機械には強くないので、導入の必要性はあまり感じていませんね」と明かした。

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