“初の開幕投手” めざしギア上げる床田寛樹&森下暢仁 広島カープ 沖縄キャンプ 田村俊介はきょうも2塁打 先輩・大瀬良に聞く斉藤優汰の成長

小宅世人 アナウンサー
広島カープ1軍キャンプ地、沖縄市のコザしんきんスタジアムです。3塁側のスタンドにいるんですが、まだバッティング練習をしている選手たちがたくさんいます。今、バッターボックスに入ったのが、林晃汰 選手。手前に 中村健人 選手です。

16日の沖縄市ですが、きのうと打って変わってちょっと寒いです。きのう、すごく汗をかいたので、きょうは半そでで来たんですが寒すぎて、ウインドブレーカーを着てもまだ肌寒いかなというぐらい、気温20℃を切っています。

選手たちも暑かったり寒かったり。体が動いたり動かなかったり、たいへんな中の練習の模様をまとめました。

前日とは打って変わって日差しはなく、肌寒さを感じる風が吹いた沖縄キャンプ、2日目―。

メイングラウンドでは、開幕投手候補のピッチャーたちが、野手と守りの連携を深めました。

その後、床田寛樹 と 森下暢仁 の2人は、沖縄では初のブルペン入り。去年、チームトップの11勝を挙げた “左のエース” は、投球の幅を広げようとさまざまな変化球を交えながら50球以上を投げました。1つずつ課題を克服しつつ、プロ8年目での “初の大役” を目指します。

広島カープ 床田寛樹 投手
「暖かいので、どれぐらい投げられるかなというので入りました。思ったより、まっすぐがよかったので、もう少し精度を上げながら変化球を練習していければいいかなと思います。もう1回ブルペン入って、シート(バッティング)を2回ぐらいして、オープン戦に入っていくっていう感じです」

その隣りで投げたのは、侍ジャパンにも選ばれた 森下暢仁 。序盤はボール球が目立ちましたが、後半は打席に立った 永川勝浩 投手コーチの口から思わずナイスボールとこぼれる場面も…。こちらもスライダーなど変化球を交え、55球。プロ5年目での初の開幕投手へギアが上がってきました。

広島カープ 森下暢仁 投手
「しっかりとストレートを上げることをまず大前提に、後の変化系もなんか思ったよりいい感じで投げられたので、それはよかったです。カーブだったり、チェンジアップだったりっていうのは、イメージどおり今、投げられているので、その2球種はしっかりといい球を投げられているなと思っています」

― 侍ジャパンについて
「なかなか、そういう場所でプレーすることもないですし、そういう場所でいいパフォーマンスを出して、いろんな方に見てもらえる機会だと思いますし、しっかりと結果を残して、自分ができる結果を残せたらいいなと思っています」

そして、午後からは紅白戦に近い実戦、シート打撃が行われました。ベールを脱いだのが、新外国人の右ピッチャー、ハッチ。打者7人に投げ、ヒット性の当たりは2本。スピードのみならず、制球力の高さも光ります。

また、去年、最優秀中継ぎ投手に輝いた 島内颯太郎 は、キャンプ初の実戦形式のマウンドでした。打者5人に投げ、ヒット性は1本。こちらも順調な仕上がりを見せました。

小宅世人 アナウンサー
16日も盛りだくさんの内容でした。実戦登板したハッチ投手、本人に直後に話を聞けたんですけど、「練習とはいえ、日本人のバッターはやっぱり積極的で、早めに勝負を仕掛けてくるので、それが印象的だった。まずはそれに慣れていかなくちゃいけない」という話をしていました。

そんな中でベテランの 田中広輔 選手を三振に打ち取ったんですが、決め球はチェンジアップ。入団当初から「チェンジアップがぼくの中の一番得意な球」という話をしていましたので、これから注目だと思います。

きょう、バッター陣の中でひときわ輝いていたのが、この人。きのうも活躍した 田村俊介 選手でした。侍ジャパンにも選出された若手の田村選手。マウンド上には去年、カープ最多セーブの 矢崎拓也 投手でした。

その初球をとらえると、なんとライトの頭上を越えて、ツーベースヒットに。15日も2安打と大活躍を見せたんですが、16日も長打、まさに連日のアピールです。

その田村選手なんですが、今ちょうどバックネットの後ろに 赤松真人 コーチ、藤井彰人 ヘッドコーチと一緒に話しています。練習が終わったあとも、結果を出しても、コーチとああじゃないか、こうじゃないかって話をしながらバッティングの練習を行っているわけなんです。いったい、シーズンが始まるまでどれだけ成長するんだと、これからが楽しみな若鯉の姿です。

きょう、わたしが注目したピッチャーがいます。2022年ドラフト1位のピッチャー、斉藤優汰 投手です。

きょうは午前中からブルペンに入って変化球も交え、だいたい50球程度投げたという形だったんですが、キャッチボールを練習前に行う相手が、大瀬良大地 投手でした。実は自主トレもこの2人はともにしているんですが、ここも先輩がいろいろとキャッチボールが終わった後に斎藤投手に何やらアドバイスをしているという様子も見られました。

けっこう年齢の差はあるんですが、自主トレから打ち解けているようで、しっかりと斎藤投手も「物怖じせずに大瀬良投手に何でも聞ける、そんな関係なんです」と話をしていました。

大瀬良投手がいったい、後輩の斉藤投手にどんなアドバイスをしていたのか気になったので、さきほど聞いてきました。

広島カープ 大瀬良大地 投手
― 斉藤投手とのキャッチボールについて
「キャッチボールで距離を出して離れていくと、ちょっとシュート回転してしまったり、スライダー回転で引っかかってしまったりするボールっていうのが数多く見受けられていて。体の使い方とかそういったところでちょっとしたアドバイスというか、話は定期的にするようにはしています」

― 斉藤優汰投手の強みは
「ピッチングでいえば、力強いまっすぐが本当に魅力だと思いますし、トレーニングをすること一つをとっても、食事一つをとっても、たくさん食べたり、たくさん走れたり、トレーニングできたりするので、それは彼の本当に大きな魅力だと思います」

小宅世人 アナウンサー
先輩からのアドバイスも受けながらすくすくと成長している斎藤投手です。斎藤投手にお話をうかがったんですが、このキャンプの中で1つ課題があるらしくて、ボールを投げるときに、どうしても実戦向きで投球をすると、強い球を投げようとして前のめりに体重がいってしまうらしいんです。ここをぐっと我慢して軸足にしっかり体重を残したときの方がベース板の上のボールっていうのが強いみたいなんです。「前のめりになるんじゃなくて、しっかり体重を後ろに残して投球する、この意識をキャンプの中で固めていきたいんです」と、そんな話をしていました。

日曜日の阪神タイガースとの練習試合で斉藤投手は登板予定ですので、楽しみにしていきたいと思います。

中根夕希 キャスター
小宅さん、本当に積極的に取材していて、細かい話も選手からしっかり聞き出せている感じがあります。

青山高治 キャスター
日南キャンプを取材した木村さん、沖縄キャンプも順調に進んでいそうですね。

コメンテーター 木村雅俊 さん(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
そうですね。リポートにあった田村選手が打った。本当に今、ぐんぐん伸びている真っ最中をみんながじっと見ている状況なので、去年の秋のイメージで今度、開幕ときにファンの方がご覧になっても、去年よりまたこんなにすごくなっているっていうのがたぶんわかると思うので楽しみでしょう。これからも。

青山高治 キャスター
今、見てると楽しい選手、またシーズンがさらに期待できる選手だと。

木村雅俊 さん
田村選手だけではなくて、そういう選手がことし、カープに多いので、ちょっとすごいことになるんじゃないかなという気がしますね。

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