原爆資料館(広島市)の館内で使う「音声ガイド」に、16日からウクライナ語が追加されました。ウクライナ語の追加で合わせて15の言語となります。
資料館によりますと、ゼレンスキー大統領が訪れ資料館も見学した、23年5月のG7広島サミットの後に、ウクライナ大使館から書面でウクライナ語の音声ガイドを入れてほしいと依頼があったということです。
原爆資料館 豆谷利宏 副館長
「平穏な日々が戻ってきたときに、ウクライナの方が訪日される、そういった機会を訪れることを願っての寄贈ということだと考えております」
翻訳に協力したのはウクライナ人大学生12人です。ロシアの軍事侵攻を受け、日本に避難し福岡県の日本経済大学で学んでいます。
カテリナ・マニコフスカヤさん
「1番難しかったことは自分の気持ちの扱いでした。恐ろしい被害について読むときはとても苦しくてたまらなかったです」
被爆者の遺品や写真・絵など64点の資料を分担し、3週間ほどかけて翻訳しました。
スヴィトラナ・レヂコさん
「大切な人を失うことが分かるので、どうしてこんなことが起こったか考えていました」
マリヤ・コルネヴァさん
「より多くのウクライナ人が大事なことを勉強できるようになると思います」
大使館から完成したウクライナ語の音声データが23年12月、資料館に寄贈されました。
来館者
「とてもすばらしいと思う。たくさんの言語があればあるほど伝わりやすく平和のメッセージがより多くの人に届くと思う。ウクライナとロシアの平和合意を願います」
原爆資料館では、「1日も早く、ウクライナに平和が訪れ、ウクライナの人々が音声ガイドを聞きながら資料館を見学できる日が来てほしい」としています。