【こんな法律もあった…!】酔っぱらって他人に迷惑をかけると「罰金」はいくら?

酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律とは?

酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(以下、酩酊者規制法)は、1961年に制定されました。60年以上前からある法律ですが、知らなかった人も多いかもしれません。

この法律の第1条によると、酩酊者規制法は、過度の飲酒による害悪を防止するために制定されたと記載があります。

酔って他人に迷惑をかけると1万円以下の罰金が科されるおそれがある

酩酊者規制法には罰則があり、第4条の第1項には以下のように記載されています。

第四条:酩酊(めいてい)者が、公共の場所又は乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をしたときは、拘留又は科料に処する。

出典:デジタル庁 e-GOV法令検索 「昭和三十六年法律第百三号 酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律(罰則等) 第四条」

簡単にいうと、酔って他人に迷惑をかけた場合は、刑務所などの刑事施設に拘置したり、罰金を支払わせたりするという意味です。

そのうえで、警察官は第4条の罪を犯している者を発見したときは、その者の言動を制止する義務があると、第5条の第1項により定められています。

もし警察官の制止に従わず、公衆に著しい迷惑をかけてしまった場合には、1万円以下の罰金が科されるおそれがあるでしょう。

なぜなら、第5条の第2項には、以下のような記載があるためです。

第五条 2 前項の規定による警察官の制止を受けた者が、その制止に従わないで前条第一項の罪を犯し、公衆に著しい迷惑をかけたときは、一万円以下の罰金に処する。

出典:デジタル庁 e-GOV法令検索 「昭和三十六年法律第百三号 酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律 第五条 2」

また、酔って他人に暴行を加えてしまうと、暴行罪や傷害罪に該当する可能性もあるでしょう。

暴行によって、相手がけがをしなかった場合は暴行罪、けがをさせてしまった場合は傷害罪に該当すると考えられます。

刑法によると、暴行罪と傷害罪の刑罰は以下の通りです。

__暴行罪:2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料(刑法第208条)
傷害罪:15年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法第204条)__

このように罰金だけではなく、懲役刑が科されるおそれもあるため、正常な判断ができなくなるまで飲酒をすることは、控えたほうがよいといえます。

お酒はほどほどに楽しく飲もう

今回ご紹介した酩酊者規制法は、今から60年以上前に制定された法律です。

上記の法律がある以上、酔って他人に迷惑をかけたうえに、警察官の制止に従わなかった場合は、1万円以下の罰金を科されるおそれがあります。

乱暴な言動に加えて、他人に暴行を加えてしまうと、暴行罪や傷害罪に問われるかもしれません。暴行罪や傷害罪は、最悪の場合には懲役刑が科される可能性もあります。

すべての国民は飲酒についての節度を保つ義務があると、酩酊者規制法の第2条で定められていることから、お酒はほどほどに楽しく飲むべきだといえるでしょう。

出典

[デジタル庁 e\-GOV法令検索 昭和三十六年法律第百三号 酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律
(目的) 第一条
(節度ある飲酒) 第二条
(罰則等) 第四条
第五条 2](https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=336AC010000010320150801000000000000000)
国立国会図書館 日本法令索引 酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律 (昭和36年6月1日法律第103号)
[デジタル庁 e\-GOV法令検索 刑法 第二編 罪 第二十七章 傷害の罪
(傷害)第二百四条
(暴行)第二百八条](https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社