知り合いが「住民税非課税世帯」らしいです。所得がいくらだと当てはまるのでしょうか?

住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯とは、名前の通り住民税が課税対象外となる世帯を指します。非課税と認められる基準は自治体によって少し異なるため、注意が必要です。

なお住民税は、所得割と均等割に分かれており、所得割のみが非課税のケースと、所得割と均等割がともに非課税のケースがあります。

住民税非課税世帯の年収目安

東京都23区において、住民税が非課税と認められる所得基準は、表1の通りです。

※東京都主税局「個人住民税 6 個人住民税の非課税」を基に筆者作成

もし、配偶者と扶養親族が合わせて4人いた場合は、住民税がすべて非課税になる基準は206万円以下であり、所得割のみ非課税になる基準は217万円以下です。東京都23区外になると、基準額が異なるケースがありますので、各自治体で確認しておきましょう。

住民税非課税世帯が受けられる支援制度

住民税非課税世帯では、経済的な支援や、子どもが進学するうえで必要な支援などを受けられます。利用できる制度がないかを、各自治体に相談してみましょう。

物価高騰支援給付金

自治体ごとで名称は変わりますが、住民税非課税世帯は、物価高騰支援として7万円の給付金を受け取れます。制度を利用する自治体に住所登録をしており、世帯全員の住民税均等割が非課税であることが条件です。

給付金を受け取れるのは原則世帯主のみとなっており、世帯主の口座に振り込まれます。対象の世帯には、支援金の通知書か確認書が送付されますので、届いていないかをチェックしておきましょう。

低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金

住民税非課税世帯をはじめとする、低所得の子育て世帯が利用できる制度です。18歳に達する年度の3月31日までの子どもが児童とみなされ、児童一人につき5万円の給付金を受け取れます。給付金を受け取るための申請は、基本的に必要ありません。

ただし、さまざまな事情で急に収入が激減した方などは、申請が必要になるケースもあります。前年と比べて急に収入が変動した方は、自分が制度の対象かどうかを、自治体の窓口などで確認しましょう。

高等教育の修学支援新制度

住民税非課税世帯などの低所得世帯の学生が、大学や専門学校などへ進学する際に使える制度です。制度の利用が認められれば、授業料や入学金の減額や免除に加え、給付型奨学金の利用もできます。

例えば住民税非課税世帯で、昼間制の私立大学へ進学して自宅から通っていると、最大で入学金が約26万円、授業料が約70万円の減免を受けられ、給付型奨学金は月に3万8300円が受給可能です。減免額や給付金の金額は、進学した大学の種類や、どこから通っているかなどで変動します。

住民税非課税世帯で金銭的に困っているときは制度を活用する

住民税非課税世帯は、住民税の所得割や均等割が課されない世帯を指します。自治体によって基準が異なるケースもあるため、自分が該当するかを確認したいときは、一度役所へ相談してみることをおすすめします。

また経済的に困っていたり、子どもの進学に際してお金が必要になったりしたときは、低所得世帯向けの制度も活用しましょう。大学へ進学するときは、状況に応じた給付金や減免措置を受けられます。

出典

東京都主税局 個人住民税 6 個人住民税の非課税
港区 「港区住民税非課税世帯等生活支援給付金」追加支給(現金7万円給付)のご案内
横浜市 【7万円給付金】電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金のご案内
こども家庭庁 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
文部科学省 大学生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度(授業料等減免と給付型奨学金)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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