花粉症の人にとっては憂鬱な花粉シーズン。ウェザーニューズによると、東海地方のスギ花粉のピークは2月下旬、ヒノキ花粉のピークは3月下旬ごろの予想です。辛い症状に苦しまないために、衣服の花粉対策についてライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんに話を聞きました。
■衣服の花粉対策
・ウールは花粉が付きやすいため、上着の素材選びに注意
・静電気は花粉を寄せ付けやすい。静電気防止スプレーを使う
・衣類の組み合わせを工夫する
生活用品メーカー「ライオン」が実験
そもそも衣類にはどれくらい花粉が付くのか、生活用品メーカーのライオンが実験を行いました。ピーク時の花粉が飛散している状態を再現した実験室にウールのセーターを置き、服についた花粉の数を計測します。1時間の外出を想定して実験を行った結果、セーターに付いた花粉の数は約10万個でした。
ちなみに右側が1時間の換気で部屋に入るとされる花粉の数で約1万5000個です。外出時に衣類に付く花粉はその6倍以上。換気よりも自分の着ている服の方が花粉を家の中へ運んでしまっているかもしれません。
ウールやコーデュロイなどの凹凸の多い衣類に要注意
お洗濯マイスターの大貫和泉さんによると、対策のキーワードは2つ。「衣類の素材」と「静電気」です。まずは素材について、大貫さんはウールやコーデュロイなどの凹凸の多い衣類は要注意と話します。
衣類の素材について「国民の約30%が症状を感じている国民病」として、環境省も衣類に関する対策をまとめています。花粉の付きやすさを素材別に示していて、綿を100としたときにウールに付く花粉は980。綿の約10倍もの花粉が付くとしています。
環境省は最も花粉が付きやすい上着をウール以外にすることを勧めています。例えば、ウールのニットを着て、その上にウール以外のコートを羽織るといったコーディネート。ただ、重ね着をする際に注意したいのがもう1つのポイント「静電気」です。
静電気防止スプレーの活用や衣類の組み合わせを工夫する
大貫さんは「静電気には花粉を寄せ付ける性質があるため、対策として静電気防止スプレーを使う、また静電気が発生しにくい衣類の組み合わせを意識してほしい」と話します。
大貫さんによると、衣類に使われている素材はプラスの電気とマイナスの電気どちらかを帯びやすくなっています。プラスとマイナスが異なる素材を組み合わせることで静電気が発生し、花粉が付きやすくなってしまいます。
ちなみに、綿や麻は静電気の敵である水分を吸収しやすいので元々静電気が起こりにくい素材だそうです。そのためほかの素材と組み合わせても静電気が発生しづらいと大貫さんは話していました。
衣類の素材組み合わせNGパターン
●ウールのニット×ポリエステルのコート
●ポリエステルのスカート×マイナスナイロンのタイツ
どのように衣類の素材を組み合わせたらいいのか大貫さんに聞きました。
ウールのニットはプラス、ポリエステルのコートはマイナスなので花粉が付きやすく、ポリエステルのスカートはマイナス、ナイロンのタイツはプラスなのでこちらも避けた方が良いとのことです。
衣類の素材組み合わせOKパターン
●ウールのマフラー×ウールのニット
●ポリエステルのフリース×綿の長袖Tシャツ
ウール同士を組み合わせれば同じマイナスなので静電気が発生しづらくなります。綿は元々静電気が発生しにくい素材なので、他の素材と組み合わせるとよいそうです。衣類から家へ花粉を持ち込まないようにして、花粉シーズンを乗り切りましょう。