「彼が違いを生み出していた」八村塁の大活躍に敵将も脱帽!36得点の大暴れを見せた日本の至宝は「チームのXファクターになりたい」<DUNKSHOOT>

現地時間2月14日、ロサンゼルス・レイカーズはオールスター前最後の一戦で、ユタ・ジャズと対戦した。

連戦2日目のレイカーズはレブロン・ジェームズを休養のため欠いたが、アンソニー・デイビスがゲームハイの37得点に15リバウンド、八村塁がキャリアハイの36得点、オースティン・リーブスが22得点、7アシスト、3スティールと躍動し、138-122で快勝した。

「彼らのサイズがペイント内で我々を苦しめた。デイビスは素晴らしい活躍をしたが、私としては、ハチムラが違いを生み出していたと思う。アイソレーションからタフショットをいくつも決めたんだ」

ジャズのウィル・ハーディHC(ヘッドコーチ)が試合後に話したように、この日の八村はエリアを問わず面白いようにショットを決めていき、フィールドゴール成功率68.4%(13/19)、3ポイント成功率75.0%(6/8)の高確率をマーク。3ポイントについてはほぼノーマークの状況を着実に仕留め、本人もたびたび笑顔を浮かべるなど絶好調な様子がうかがえた。
ジャズからすれば、1月13日の試合で39得点を許していたディアンジェロ・ラッセルのプレーも影響していたのかもしれない。前回対戦時はスコアリングモードでジャズを苦しめたラッセルだが、この日はキャリアハイの17アシストを配給して攻撃を指揮した。

「ゲームというのは何かを引き起こすものなんだ。ルイはアグレッシブだったし、リーブスも序盤からよく動いていた。だからとにかくみんなを見つけてパスを捌いたんだ。前回ここでプレーした時、相手は俺に大量得点を許した。今回もその点でいい仕事をしたけど、とにかくパスを回したんだ」

そう口にしたラッセルは、この試合で17本のアシストに加えて11得点、9リバウンドをマーク。チーム全体でフィールドゴール成功率57.1%(52/91)、3ポイント成功率45.2%(14/31)という高精度なオフェンスが展開できた要因のひとつには、この司令塔の活躍があったと言っていいだろう。 とはいえ、この日最も注目を浴びたのは間違いなく八村だろう。昨季途中にワシントン・ウィザーズから加入した26歳のフォワードは、ここまで42試合の出場で平均12.0点、3.7リバウンド、1.1アシストを記録。ジャズ戦での活躍により、フィールドゴール成功率51.5%、3ポイント成功率は40.0%(平均1.2本成功)の大台に乗せた。

ダービン・ハムHCは、在籍2年目で最高のパフォーマンスを見せた八村を次のように評している。

「我々が素晴らしいチームとなるためにも、ルイの成長を必要としている。彼はメインの1人であり、チームの得点源の選手たちがプレーする傍で今夜のようなプレーをしてくれると、我々は倒すことが極めて難しいチームになる」
直近7戦で6勝1敗のレイカーズは、ウエスタン・カンファレンス9位の30勝26敗(勝率53.6%)でオールスターブレイクを迎えた。今季はラッセル、リーブス、レブロン、デイビスに八村を加えた5人で先発を形成した5試合で負けなし。八村は3戦連続で15得点以上をあげており、2月は平均15.0点、4.7リバウンド、1.3アシストにフィールドゴール成功率58.3%、3ポイント成功率42.9%と好調だ。

「僕はチームのXファクターになりたい。ベンチだろうと先発だろうと関係なく、オフェンスとディフェンス、すべてにおいて。とにかくアグレッシブになって、自分のサイズを生かし、勝利するためなら、なんだろうとやるだけです」

勝負の終盤戦に向けてそう意気込む八村。チームには平均2桁得点を計算できるガード陣(ラッセルとリーブス)がいるとはいえ、レブロンとデイビスの2本柱を補完し、負担を軽減できる存在は少ないだけに、26歳の日本の至宝がチームの成功のカギを握っていると言っていいだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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