岩谷麻優 スターダム新人・弓月に愛のダメ出し「プロレスがうまいから、印象に残らない」

スターダムの新人4選手が今年に入り、続々とユニット所属への動きを見せる中、IWGP女子王者の岩谷麻優(30)がこのほど、自身が率いるSTARSに加わった弓月(19)について語った。

団体はエグゼクティブプロデューサーを務めたロッシー小川氏を2・4大阪大会後に「多数のスターダム所属選手・スタッフに対する引抜き行為」を理由に契約を解除。大きな波紋に隠れがちだが、リング上の時計は進んでいる。弓月は1・14大阪大会のリング上で岩谷への憧れを口にし、STARS入りを直訴し、加入を認められた。

それから約1カ月。岩谷は「憧れていると言われ、素直にうれしかった。メンバーが充実しているSTARSに来たい、というのはすごいな、とも思いました。人数が多いと埋もれてしまうかもしれないので」と振り返り「一緒に戦って改めて思うのは、動きがいい、プロレスのセンスがあるな、ということ。デビュー5年目の選手みたい」と評価した。

弓月がデビューする前、小川氏から「すごく動きのいい子がいる。度胸が据わっている」と聞かされた。弓月の希望、小川氏の意向で岩谷がデビュー戦の相手に決まった。「これまでデビュー戦の相手を務めたことがなくて、楽しみにしていたんですけど、小指をケガしてしまって…」。岩谷は昨年11月10日、新日本のダラス大会で行われたIWGP女子王座戦で右手小指を脱臼し、休養を余儀なくされた。弓月は同月17日の大阪・大正大会で渡辺桃を相手にデビュー。その映像を見た岩谷は、小川氏の言葉通りだと感じた。

ただし、一緒に戦う中で心配な面も出てきた。「いい意味でも悪い意味でもプロレスがうまいから、印象に残らないなと思いました。最初からセンスの塊だから、負け続けても頑張れ、と応援される感じではない。ガムシャラさも感じられない」と指摘した。

岩谷は2011年1・13新木場大会、17歳でデビューした。弓月と同じ19歳の頃を「ウルトラマンみたいに3分でスタミナが切れると言われていたし、最弱決定戦に出たり、自分は本当にダメでした」と振り返り「今はみんなスゴイ。私は昔だったから生き残れた」と現在のレベルの高さを語った。そして13年12月、20歳でアーティスト王座を獲得したことをきっかけに、〝スターダムのアイコン〟への道が開けてきた。「プロレスは痛い、しんどい、逃げたいという気持ちだったのが、チームの人たちに助けられた。一人で戦っていたものから、仲間がいると思えたことが大きかった。プロレスが好きになりました」と飛躍の転機を語り、弓月に対しては「STARSに入って良かったと思ってもらえたらいいな」と思いやった。

センスの塊がマイナスにも働く点を「それがプロレスの難しさ」と語った岩谷。今後については「STARSは最近、安定しているけれどベルトが獲れていない。NEW BLOODタッグは2人(飯田沙耶&羽南)いますけど、ゴッデスとかアーティストとかチームとしてのタイトルを取りたい」と意欲を口にした。小川氏の契約解除騒動以降、リング外での話題が多くなった。ファンに対して「人生はなんとかなるし、なるようにしかならない。どんな道を選ぼうが、その選手を応援してほしい」と呼びかけた。

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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