【特集】こけら落とし目前のサンフレッチェ広島の本拠地 地元を支え続けたサッカークラブの代表 すぐ隣りにできたスタジアムに寄せる思いとは…

「エディオンピースウイング広島」は、2月10日にこけら落としを迎えます。地元に暮らす1人の男性のスタジアムに寄せる思いを取材しました。

地元に暮らす中学高校生が中心の若者たちで作る、その名も「基町サッカークラブ」。代表の大森広明さんは、74歳。懸命なプレーが身上です。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「(基町サッカークラブは)今年で35年になるんかな。ワシがつくってから。青少年の健全育成には、多少は貢献していると思います。」

サッカークラブの代表だけでなく、基町を支える大森さん

広島市の中心部にある基町アパートの中にある「フレッシュおおもり」は、野菜や惣菜などを扱い、住民の台所を支えています。大森さんは、「フレッシュおおもり」の店主です。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「ここ自体は30年ぐらいですかね。小学生のときから(店を)手伝っていたから。もう60年前から。やっぱり基町に愛着があります。」

基町で育った大森さんの少年時代は、町が大きく変わる時期に符合します。一帯は、原爆で壊滅。広島市などは、戦災で焼け出された人たちの為に、公営住宅を建設します。多くの人で賑わう基町アパートは、「復興の象徴」でした。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「すごく活気があるというか、元気な街だなぁ(という)印象を持っていますね。高度経済成長の時代と比べると、今ちょっと高齢化社会というか。」

かつて、活気に満ちた商店街は、閉まったままのシャッターが目立つようになりました。

住民たちを支える「フレッシュおおもり」

店のもうひとつの顔として、アパートで暮らす高齢者に、毎週、健康体操の場を提供しています。

そしてもうひとつ。小学生のギター教室にもなります。講師は、学生時代からバンド活動を続ける大森さんです。

■教室に通う小学生は…

「あいみょんとか、ギターを弾いている人を見てあこがれてて、弾き語りをしている人に。」

大森さんが楽器を貸すことも度々。この日から、自宅でも練習できます。

すぐそばにできたサッカースタジアム

基町アパートのそばに完成した、サッカースタジアム。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「まさかすぐそばに、サッカー場がくるなんて。」

日本がワールドカップに初出場したフランス大会を、現地で観戦したと言う大森さん。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「ワールドカップ観に行くでしょ。行くまでも楽しいし、試合はあっという間に終わるんですよ。終わったあと外に出たら、ライブやりおる。ロックのライブを。サッカーの試合はお祭りですよ。平和じゃけぇこそサッカーできるし、平和だからこそお祭りができる。(サッカーは)同じ時代、同じ時間に楽しいことを共有できる。いいんじゃないかと思います。」

スタジアムの間近にある、小学校のグラウンドでの「基町サッカークラブ」の練習は、日に日に熱を帯びてきました。

■基町サッカークラブ代表 大森広明さん

「(サッカー)スタジアムができたら、余計にそうなると思います。(スタジアムが)ないときもやってきた。」

「夢の器」で輝く選手の誕生を待ち望むイレブンが、ここにもいます。

【テレビ派 2024年2月6日放送】

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