「五福餅まき」でムード盛り上げ 岡山、西大寺会陽「宵祭り」

福を授かろうと懸命に手を伸ばす女性ら

 国重要無形民俗文化財・西大寺会陽の前夜祭「会陽宵祭り」が16日夜、西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)で開かれた。新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりに復活し、福女を決める女性限定の「五福餅まき」で祭りムードを盛り上げた。

 午後6時50分から、坪井綾広住職(47)らが「五福ちょうだーい」のかけ声とともに、特設やぐらから紅白の餅約2千個を投げ込んだ。詰めかけた女性約500人が福を授かろうと懸命に腕を伸ばし、境内は熱気に包まれた。

 福女は「当たり餅」を取った10人の中から福引で2人が選ばれた。福女となった主婦馬場綾子さん(35)=同市中区=は「地震など世情不安が続く中、周囲に福を分けることができれば」、主婦有友友美さん(46)=瀬戸内市=は「初めて参加したが、とても楽しかった」と笑顔を見せた。

 餅まきの前にはドラムや和太鼓演奏などのステージもあった。宵祭りは、かつて会陽前の3日間にわたって行われていた前哨戦「地押し」のにぎわいを復活させようと2016年から開かれている。

 17日の西大寺会陽は午後3時20分の少年はだか祭りでスタート。同10時に本堂で宝木(しんぎ)が投下され、4年ぶりとなる争奪戦が行われる。

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