奥湯河原最古の温泉旅館が民事再生手続き 負債8億円超、経営立て直しへ

民事再生法の手続き開始が決定した老舗温泉旅館「青巒荘」=14日、湯河原町宮上

 奥湯河原温泉最古の温泉旅館といわれる「青巒(せいらん)荘」(湯河原町宮上)の運営会社が横浜地裁小田原支部に民事再生法の適用を申請し、手続き開始の決定を受けた。決定は14日付で、負債総額は1日時点で8億5千万円。古くから愛されてきた旅館の危機に、地元からは「これを機に再生し、今後も旅館事業を続けてほしい」と、驚くとともに復活を期待する声が上がった。

 帝国データバンク横浜支店によると、旅館と同じ名前の運営会社は2005年12月には売上高約7億円を計上していたが、その後、景気悪化による個人消費の低迷などで利用客が減少。箱根の火山活動の活発化や19年の台風19号による被害も響き、同年12月の売上高は約4億円となった。

 さらに新型コロナウイルス感染拡大で休館や時短営業を余儀なくされ、21年12月には約1億6800万円まで落ち込んだ。同時期には約5800万円の赤字となり、今月に入って民事再生法による経営立て直しに踏み切った。

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